「……これ、全部スフィアさんが
テイムしたんですか?」
「は、はい。
あ、でも基本草食の子が多いので、
あまり食費はかかりませんけど」
アスタイル王国へと帰還する日―――
俺たちは彼女が連れてきた動物たちを見て、
困惑していた。
「羊っぽいのと、大きい犬?
こちらはジャガーかしら」
武田さんが馬くらい大きな犬を
「ウサギっぽいのもいるな」
「あれはこの前いた……
『
『
小動物系の動物を手に載せて可愛がる。
「移動動物園みたいですね」
「乗れたら最高だろうなぁ」
俺と武田さんがそう言うと、
「あ、乗れる子もいますよ?」
そう答えると同時に、スフィアさんは
大型の犬みたいな魔物? に乗って、
さらに
みんなが『おおー』と声を上げる。
「すげぇなあ」
「もしかして空も飛べたりするんじゃ」
熊谷さん、白波瀬さんがそう口にすると、
「『
そんなに長く飛べないですけど」
それを聞いた俺は首を傾げて、
「いや、それだけ活躍出来るのに、
どうしてテイマーの地位が低いん
でしょうか。
移動に使えて、偵察も出来て、
空も飛べる……
これを軽視する人たちの思考が
理解出来ません」
いくら戦闘系スキルがもてはやされると
言っても、その戦闘に至るまでの支援や
プロセスは重要なはず。
結局、
『常識』が、発展を
そして『常識』だからこそ気付かない―――
俺がそう思案していると、
「スフィアさん。
この子たちを連れて行って、
そういう使い方をしても、
誰も認めてくれなかったんですか?」
武田さんも信じられないという
様子で、彼女にたずねるが、
「えーと、前も言った通り
盾にする冒険者が多いので、
あまり連れて行かないんです。
あとわたし自身、あまりこの子たちを
危険な場所に連れて行きたくない、
というのもありまして……」
それを聞いた俺たちは微妙な表情になる。
もしかしてテイマーの地位が低いのって、
彼女自身にも原因があるのでは?
と思ったが―――
それは空気を呼んで口にしなかった。