「みんな、無事か!?(相手は)」
「ケガしてない!?(相手が)」
そう言って円形の広間に、
俺の周囲には戦闘系スキルであろう、
連中が転がっていて、
「まあ、その―――
「本当に強いんですね、
武田さんとスフィアさんが、呆れるように
語り、
「警告はしたんだけどなあ」
「まあ、聞かないとは思っていたけどね」
2人もまた、ため息をついてこの結果を
ながめる。
「グレメン国王への
どうなりました?」
すると熊谷さんも白波瀬さんも、
首を左右に振って、
「さすがに無視はされなかったけどね。
アスタイル王国とシーライド王国の
書簡もあったから」
「だけど、召喚者の話をしたら、
すごい眉間にシワを寄せていたのよね。
それで、一体こっちでは何があったの?」
すると、複雑な表情で武田さんと
スフィアさんが顔を見合わせ、
「まあ、ここであった事と無関係では
ないと思います」
「この国での非戦闘系スキルの
扱いは―――」
そして俺たち3人で事情を説明
し始めた。
「非戦闘系スキルの者同士を、
戦わせているって……」
「それって召喚者も……!?」
2人の疑問に、俺は大きく息を吐いて、
「自然な流れで考えれば、そうなるで
しょうね―――
最悪、アスタイル王国とシーライド王国の
召喚者の憎悪が、再燃する事になるかと」
召喚者たちの不満は、あえて俺や武田さんが
過激な発言をする事で、そのストッパーと
なって来た。
だが、このグレメン国のやり方を知れば、
全面戦争になってもおかしくはない。
俺や武田さん、スフィアさんの説明に
熊谷さんと白波瀬さんは頭を抱え、
「とにかく、ここの召喚者たちに
話を聞いてみましょう」
そう2人に提案すると、
「今から気が重いなあ……
死人は出てないっぽいから、それだけが
救いか」
「やっぱり一ヶ国くらい滅ぼしてきた方が
良かったのかしら」
熊谷さんの後に、白波瀬さんがボソッと
こちら寄りの発言をし―――
その後、みんなでなだめるのに苦労した。