「…………」
「…………」
王宮の一室に、
この国の召喚者たちだ。
「アスタイル王国及び―――
シーライド王国からの書面には
目を通した」
「召喚者、非召喚者問わず……
非戦闘系スキルの待遇改善は、
こちらも望むところです」
やっとチラホラと、グレメン国側の
召喚者たちから意見が出る。
「は、はい」
「賛同して頂けるのは有難いの
ですが」
彼らの
「もちろん、グレメン国に何らかの
ペナルティを払わせるんだろうな?」
「俺は妹と戦わされた……!」
「アタシは弟と……
恋人同士争わされ、破局したのも
いるわ……!」
それを遊び半分でやらされたわけ
だからなあ。
そりゃ恨み
「ではどうしましょうか」
「連中にも、同じように肉親で
争わせてやります?」
俺と武田さんの提案に、彼らは目を
丸くするも、
「実際、我々も二極化していてね」
「あたしたちのように、
行くか、そこの
武田さんのように―――
やられた分はやり返すで行くか……
一時は皆殺し案があったくらいだから」
熊谷さんと白波瀬さんが、複雑そうな
表情で語る。
「別に皆殺し案を引っ込めた覚えは
ありませんけれど」
「お願い!
今だけは黙ってて!!」
自称穏健派の2人が俺の口をふさぐ。
「あのう」
そこでスフィアさんが片手を挙げて、
「その女性は?」
「シーライド王国で会った、テイマーの
スフィアさんです。
非戦闘系スキルなので、彼女もまた
不遇な扱いを受けていたのですが―――
それでスフィアさん、何か意見でも」
彼女の後に武田さんが紹介兼フォローに
入ると、
「その、同じ目に遭わせるという事に、
反対はしませんが……
実際に肉親同士を争わせても、意味は
無いかと思われます」
この世界の人間の口から飛び出た言葉に、
召喚者組はそれぞれ顔を見合わせて、
「ええと―――
どういう事でしょうか?」
そして彼女の意見に、全員が耳を傾けた。