「ワタシらはねぇ、王の命令で
やってんだ!」
「子供だからって舐めたら、
容赦しねぇぞ!!」
口々にそれぞれの派閥の代表らしき連中が、
抗議して来るが、
「王の命令……?
王があなたたちに『遊べ』って
命令したんですか?
それならもっと仲良くしてください。
うるさくて仕方ないんですけど」
俺がそう返すと、わかりやすいほどに
顔が真っ赤になって、
「まあまあ、落ち着け。
『
なあ坊や、俺たちは今対抗戦って
いうのをやっているんだ。
巻き込まれてケガしないうちに、
とっととここから出て行きな」
恐らく『
子供を諭すように話しかけてくるが、
「……?
だってただ、うるさいだけの
遊びでしょう?
それでどうやってケガをするんですか?」
俺の言葉に、こみかめにピキッ!
と怒りの効果音が聞こえると錯覚する
くらい、彼は顔に
「あのさぁ~?」
「いい加減にしないと子供でも、
お姉ちゃんお兄ちゃん、
限界が来ちゃうわよぉ?」
「しかしまあ、度胸のあるガキだ。
オイ、お前のスキルは何だ?
それ次第じゃ後で、『格闘家』に
入れてやってもいいぜ」
最後、『格闘家』の代表らしき
男が俺に興味を持ったのか、質問して来て、
「スキル、ですか?
あいにくと僕は召喚者でして。
その時何も選ばなかったんですよ。
で、召喚した国は『
言ってましたけど」
すると代表格の3人はきょとんとした後、
お互いに顔を見合わせて、
そして数秒の後―――
「ぎゃははははは!!」
「『無能』って……!
怖いわー、何も知らないってホント
怖いわー!!」
「おいガキ!
これだけ笑わせてくれたお礼だ、
今すぐどっか行け!
見逃してやるくらいはしてやるからよ」
周囲では、代表格だけではなく、
派閥の選抜メンバーたちも笑っていて、
そして遠く、王から少し離れたところで、
武田さんにスフィアさんが、恐らく
別の意味で苦笑していた。
「ふーん、じゃあ―――
ちょっと遊んでくれる?
お姉ちゃん、お兄ちゃん♪」
俺も満面の笑顔を作ると、彼らに向かって
突進して行った。