「あぁん?」
「待ってよ。
あのガキ、突っ込んで来たんだけど?」
『
リーダーが、困惑した表情になり、
「仕方ねぇなあ。
ちょっと適当に痛めつけて放り出すか。
ま、召喚者とはいえ『
殺したところで問題はねえだろ」
俺に一番近い位置にいた、『
リーダーらしき男が待ち構え、ポキポキと
指を鳴らす。
「止まれ、ガキ―――」
彼は俺の顔面を狙って、ビンタするように
張り手を振るが、
「あ?」
直前で俺は彼の前でしゃがみ込み、
「えあ?」
片足に手を伸ばし、外側から内側に引き込む
感じで払う。
するとどうなるか。
人間の足は構造上、基本は前か後ろに
歩くようにしか出来ていない。
斜めや横に移動する事も訓練次第では
可能だが、
スキル頼りのこの世界、彼らがそんな
修行や練習を行うような事はなく、
そのまま背中から、彼は地面へと
倒された。
そして俺はそのまま彼の腹部めがけて
ジャンプし……
みぞおちに『着地』すると、いかに
子供の体重であろうと効いたのか、
彼は『ごは』と声を上げて失神した。
「なっ!!」
「くそっ、あのガキっ!!」
と、残りの『格闘家』派閥が俺に向かって
駆けて来るが、
「おぐっ!?」
「うげっ!!」
「ぬわぁっ!?」
関節極めからの投げ、そして目の前で
柏手を打つネコだまし。
恐らく彼らに取っては未知の技術で、
対応出来ずに次々と振り回されているのが
わかる。
それを見た『闘士』、『魔術師』の
リーダーは、
「くそっ!!
あのガキ、『無能』じゃねえ!
何か妙なスキルを使うぞ!」
「全員、距離を取りなさい!!
警戒を
『格闘家』派閥が倒されていくのを見て、
メンバーに注意を促す。
そして戦闘が一段落したと見た俺は、
「ねーねー。
次は誰が遊んでくれるのー?」
そう言って俺は、別の『目標』へと
向かって行った。