「ご、は……っ!?」
横面を張り倒された『
らしき男が、
まあ、何が起きたのかわからないの
だろう。
俺が剣を手にした時点でコイツは、
『武器を使って来る』と思い込んだ。
当然、警戒すべきはその切っ先。
縦に来るか、横から来るか、それとも
突いて来るか。
だが俺が仕掛けたのは、ただ剣を握った
そりゃ、蹴りが来る事くらいは想定して
いたかも知れないが―――
さすがにコレは想定の範囲外だっただろう。
「じゃ、寝ててね」
俺が
かすめると、最後に残っていた混乱の
意識も刈り取り、
前のめりに『闘士』のリーダーは倒れ……
「さて、残る派閥は―――」
俺が振り向くと、『
遠目に見えた。
「なな、何なのよあのガキは……!
『
上位陣が揃っていたのよ!?
それをあっさりと―――」
リーダーであろう女性が、頭を抱えながら
何とか状況を把握しようと四苦八苦する。
「落ち着いてください、リーダー!」
「『格闘家』と『闘士』の連中との戦いを
見ていましたが……
どうもあの子は、接近戦しか出来ない
ようですよ?」
「それならば、『魔術師』の
ヤツを近寄らせない限り、いけます!」
部下たちの言葉で、彼女はハッと我に返る。
「そ、そうよね。
幸い距離はすでに取ってあるわ。
目標は突然乱入してきた少年!
よく狙って撃ち込みなさい!」
そして
魔法スキルが発動された。
「遠距離攻撃を至高とするグループか。
まあ、それならそういう攻撃に
なるでしょう」
確かに攻撃力はすさまじいものがあるの
だろう。
だが、俺からするとアレはスキだらけだ。
目標確認、
バカバカしい必殺技の掛け声みたいな
もので、『これからあなたを攻撃します』
と前もって宣言するに等しい行動。
そして何より派手。
銃みたいに一瞬で届くわけでもなく、
また発光するのでそのタイミングさえ
わかれば、
避けるのに何の苦労も無かった。
「なっ、何で当たらないのよおぉお!!」
「まさかあのガキ―――
着弾点を察知して避けているのか!?」
「だけど避けるのに精一杯のようです!
近付かせさえしなければ……
勝機はあります!!」
そして事態が
目標になっていた少年が動いた。