「い、今、何と?」
教皇の代わりに対応していた中年男性が、
俺に確認するよう聞き返してくる。
「??
ですから、あなた方がやっていたルールに
殺し合いをしてもらって、1/10まで
減らすんですよ。
生き残ったら
教皇はフガフガと何やら怒鳴っている
ようだが、鼻から下は包帯でグルグル巻きに
なっているのでわからない。
そこでまた担当者らしき男が、
「で、ですがそれはその―――
あくまでも低スキル、もしくは
役に立たない非戦闘系スキルの場合に
限られておりまして」
「??
僕のスキルは『
その僕にこの国の頂点、一番偉い人である
教皇が手も足も出なかったんです。
僕より弱いから、一方的にやられた
わけです。
『無能』の僕に倒されるような人物が
治めている国なんて、国ごと僕以下って
いう事ですよね?」
「そそ、それは……」
「じゃあそんな国、神に見放されているも
同然じゃないですか。
あ、これ僕が決めた事じゃありませんよ。
今まであなた方がやってきた事です」
そこで俺は大きく息を静かに吸って、
「―――てめえらが今まで散々やって来た、
認めて来たルールだろうがっ!!
途中で降りるんじゃねぇっ!!」
大声で怒鳴りつけると……
シュロランド教国側は反論もせずに
黙り込む。
まあこの手の連中は、うまく行っている
時以外の想定はしないからな。
自分にそれが突き付けられて初めて、
どれだけ理不尽な事か思い知るのだ。
「まあ待って、
「さすがにそれは、使者としての権限を
超えている。
いかにこちらが定めていたルールとは
いえ―――
人口を1/10まで減らすというのは、
今すぐここで決めていい話ではない」
「そうですよ、それに……
全国民となったら、低スキル持ちや
非戦闘系スキル持ちといった、
助けるべき人たちも含まれてしまいます」
「それは雨霧さんの目的や要望と、
矛盾してしまうのでは」
武田さん、スフィアさんもそれに続く。
俺は天井を見上げてしばらく考え、
「失礼いたしました―――
少し熱くなっていたようです。
前言は撤回します。
僕たちはいったん国に戻りますので、
非戦闘系スキルへの差別解消、それに
待遇改善をよろしくお願いいたします」
俺がペコリと頭を下げると、こちらの
メンバーもそれに
そしてシュロランド教国側は教皇を始め、
全員が首が千切れるかと思うくらい、
首をブンブンと縦に振り続けた。