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ハジメテ

第1話 そして2学期は始まった

この話から第3章スタートです!


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 何故だ。まだ8月31日だぞ。今日が月曜日だからといってもなぜ9月からじゃないんだ。


「どう足掻いても、現実は変わらないから諦めな、久志。」

「とか言ってるけど、あと1日ぐらい欲しい〜とか思ってるんだろ、桜。」

「くねくねするな!思ってるけど!」


くそっ、眼鏡かけて「超推理!」とか言った方がよかったか。


 今日からは2学期。文化祭と体育祭の陽キャ行事が2つもあって、陰キャにはキツい期間が始まる。あぁ憂鬱だ。


 新学期が始まるとき、「みんなと会える!」とか「楽しむぞー!」とか、周りに合わせて、「ダルッ!」言っている馬鹿どもは陽キャぶっている陰キャだ。これがクラスのほとんどを閉めている。完全に主観だが。真の陽キャとは、何も考えずに学園生活を楽しめる者たちのことを指す。割合的には1割か2割ほど。そして陰キャは、何も考えずに日常をこなしていく者を指す。これはクラスの2割だ。それを踏まえて教室に足を踏み入れる。


 まずは、教卓の周りにたかっているグループ。会話が少し聞こえてきたが、ほぼ100で陽キャぶってる陰キャだろう。次は、後ろの方で集まっている女子。ここは真の陽キャだと思われる。そして、窓側に集まっているいつもの3人。完全に陽キャだ。


「おはよう!」

「おはよう、Q。ちゃんと起きられたな。」

「当たり前だ。俺はそこまで子供じゃねぇぞ、奏。」


机の上にリュックを置いて、今日提出の分ではない宿題をロッカーに入れる。ギリギリの登校だったので、入れている最中にシオちゃんがやってきた。


「お前ら、席つけ!とりあえず放送が始まるまでは私の愚痴を聞いてもらうからな。」

『えぇーっ!』

「みんなそこまで喜んでくれるのか。ありがとう。」


出席簿に欠席者のチェックをつけたシオちゃんは、時間いっぱいまで話し続けた。


『テステスー。テステスー。』


教務主任の声が流れてきたので、教室は少し静かになる。始業式が始まった。


 始業式は5分ほどで終わり、シオちゃんが提出物を集める。終礼もすぐに終わって、解散になった。奏と海南さんはすぐにクラブに行ったので、他4人で帰ろうとしたが、熊野さんはカレンと遊ぶ約束があるとかで、先に帰って行った。ラブコメの匂いがするぜ!


 残ったのは、ご近所さん3人組。途中のコンビニでアイスを買って、食べながら歩く。駅はいつもより人がいたが、ほとんどが大阪市内向きなので、京都行きホームにはほとんど人がいない。


「まだ昼なんだよな。」

「そうだね、まだ昼なんだよね。」

「今までの時間が短すぎたのかな?」

「そうじゃね。」


まだ昼だなんて初めて感じる。いいことなのか?おそらくそうだろう。


 こうして、俺の2学期は始まった。

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