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第14話 準備

 今週末に迫った静岡での大会。帰りは先生とは別行動になる予定なので、俺とピー也とかー君こと稲原和樹先輩で帰りの予定を立てていた。


「わさびソフトは食いたいよな。」

「あとは富士宮焼きそばと浜松餃子も。」

「温泉は入って帰るぞ。」


クラブが始まる前のわずかな時間が俺たちの会議の時間。クラブが終わったらかー君は塾があるし、俺たちも疲れて倒れそうだから、あまり会議ができない。


「ほんま楽しみやわ〜。特にお前らDistance組と一緒に泊まれんのが。ちょっと可哀想なのが1人いるけど。」


その可哀想なのは、うちの学校のエースの太地大翔先輩。もともと俺とピー也は寝る気がないからゲームしたりする予定だが、太地先輩は確実に寝る派の人。「うるさくしなかったらいいよ」とは言われているが、やっぱりちょっと気が引ける。静かにできるように注意しないとな。


 そして進められる会議は1つの課題にぶち当たっていた。


「そうだよな。新幹線は途中で改札出れねぇからな。」

「ここ行くの諦める?」

「「それはない!」」

「だよな。」


俺たちが行こうとしているのは浜松駅の近くにあるのが多い。だから浜松駅で降りないといけないのだが。


「時間変更とか。」

「それは新富士周りでしか遊ばれへんで。」


折角静岡まで行くのに、使う予定の駅の周りでしか遊ばないのはありえない。


「払い戻しとかするか?」

「それが1番いいかも。手数料は?」


かー君が調べる。


「220円。」

「おおっ、結構安いな。」


ならば、途中で降りるからその分高くなると踏んで、降りるのを新大阪から京都にして計算してみよう。


「帰りの降りる駅が新大阪から京都に変わるけど、新富士から浜松まで新幹線使ったら980円余分に払わないといけないけど、富士から浜松まで在来線使ったら1550円儲けれるぞ。」

「ホンマに?」

「ほら。」


新富士から浜松、富士から浜松、浜松から京都の料金の計算結果を見せる。かー君がすぐに計算し直して、俺の計算に間違いがないのに気づくと、嬉しそうな顔を浮かべた。


「ナァイス!やっぱお前最高やわ!」

「こっちに取り分あるかは電車の時間とも相談やけどな。」

「それでも、こっちに取り分ある方法があんねやろ。その事実だけで十分やわ!」

「じゃあ、浜松の周りで美味しそうな店も探さないとな!」


俺たちの悪巧み会議はさらに加速する。


※※※※※※※※※※※※※※※※※


本日12時過ぎに新作『俺の君への鎮魂歌』を連載し始めました。


幼馴染を亡くした主人公、彪河の書く詞が中心の物語です。書いているときの心情とかも歌詞にのせたりしています。


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