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第15話 合間

「はぁ〜、終わったぁ〜!」


椅子でギューンと後ろに移動して、くるっと回って、そのままベッドにダイブ!今日は特にやることがなかったから、まだ11時過ぎなのに暇になっちゃった。ママに言ったら「今日くらい早く寝なさい」とか言われるんだろうな。じゃあこのままで、ゲームしちゃお!


「誰か起きてないかな〜?」


KYUKA組に「誰かボスバトやらない?」とメッセージを書き込む。すぐに既読2がついた。


『俺と桜はいけるぞ。』


ひい君たちか。2人とも強いからイベントはすぐに終わりそうだ。


「じゃあ、私がルーム作るから2人とも入って。」

『了解』


ゲームを開いて、イベントのところからルームを作る。すぐにひい君と桜が入ってきて、あと1人の枠はネット上の知らない人が入った。私が開始のボタンを押して、キャラ選択の画面になる。


 ちなみに、このイベントのルールはボスバトル。3人の強大な敵と闘うバトルだ。コンボ数に応じてポイントが入ったりするので、通常は遠距離射撃キャラで挑むのが鉄板。それが分かっているひい君と桜は、もちろん若やイゾウ、雪チョパだったりを編成している。これは属性相性がいいからこのキャラだが、他の属性のときはまた別の遠距離キャラを使う。それでも…


「何で、この人は夢使ってるのかな?」


おそらく単純な強さで選んだのだろう。でも、それだけじゃこのイベントは終わらない。てか、同じチームの人に迷惑がかかる。分かってんのかな?


 試合が始まった。私たちが使うのはイゾウ。知らない人だけ夢を使っている。射程距離に入ったところで、まずはスキルを使う。連射スキルだからすぐにコンボ数は伸びていき、開始15秒で100コンボを超える。相手もスキルを使ってくるようになったので、それに注意しながら、できるだけ攻撃をする。


 開始25秒で1人目の助っ人が入ってくる。ちゃんとコンボを稼いでくれるキャラだったから良かった。


 ここからはコンボ数がすぐ貯まるようになる。15秒も経たないうちに3人目の助っ人が入ってきて、コンボ数の増加はさらに加速。ボスのシールドも順に破って倒していき、開始1分で1番強いボスを残すのみとなった。瞬間移動スキルに注意しながらじわじわとシールドを削っていく。コンボ数も1000を超え、全員がスキルを連続的に使うようになってきた。すると、すぐにシールドは剥がれ、HPはみるみる減っていき、ボスを倒した。


 そのあともルームのホストを回しながら、全員の挑戦権が尽きるまで、計6回プレイする。安定してイベントスコアを1戦当たり10000以上稼いで、お開きとなった。


 机の上に散乱した教材を集めてリビングに降りる。


「ママー、寝るわ。」

「そう、おやすみ。」


ママは少し笑っていた。

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