「ヴィクウウウウウ!!! お兄様が助けに来たぞおおおおおおお!!!!」
その時でした。
遂に結界が破壊され、木端微塵に弾け飛びました。
マ、マズいですわ!?
これでは【
「穢れた海で生まれた人魚は
穢れを飲み干し水を清める
さりとて人魚の中の穢れは
いったい誰が清めるのか
――浄化魔法【
「「「――!!」」」
その時でした。
ユリアーナ班長の浄化魔法が、一瞬で【
ユ、ユリアーナ班長オオオオオオ!!!!
ヨシ!
これであとは、【
わたくしは床に下り立ち、ラース先生のこともそっと下ろしました。
「おお、可哀想なゲロルトくん。こんな姿になってしまって」
【
フン、ゲロルトをそんな姿に改造したのは、他ならぬ貴様でしょうに。
「オウオウオウ、【
ここぞとばかりにローレンツ副団長がイキがって、一歩前に出ます。
ちょっと!
【
「ククク、いや、私は
「アァン……? それはどう――ガハッ」
「「「――!!!」」」
その時でした。
ローレンツ副団長の背後に立っていたリュディガー団長が、剣でローレンツ副団長の
なっ――!!?
「な…………んで」
絶望にまみれた表情を浮かべながらローレンツ副団長は倒れ、ピクリとも動かなくなってしまいました……。
そ、そんな……。
そんなまさか――!!
「すまないね、私も【
いつもの柔和な笑顔のまま、リュディガー団長は【
あ、あぁ……。
「そ、そうか――! 【
ラース先生が【
えっ――!?
――あっ。
その時わたくしの頭の中で、点と点が繋がった気がしました。
「その通りだよラースくん。ヴォルフガング団長が【
「ククク、あの時はとても助かったよ、リュディガーくん」
そうか、確かにお父様の記憶では、お父様が気絶してから目覚めるまでに、多少の時間がございましたわ。
その隙にリュディガー団長は、あろうことか怨敵である【
つまり5年前の時点で既に、リュディガー団長はお父様と王立騎士団を裏切っていたのですわね――!!
……どうりでここ数年の【魔神の涙】事件が、一向に解決しなかったはずですわ。
他でもない王立騎士団のトップが、都度証拠を揉み消していたのですから――。
「何故です、リュディガー団長!? お父様の記憶で見たあなたは、お父様のことを心の底から尊敬しているように見えましたわッ! それなのに、何故……」
「……すまないね、ヴィクトリア。これも、私の正義のためなんだ」
「正義……!?」
何ですか正義ってッ!
世紀の大犯罪者に手を貸すことが、どう正義に繋がるというのですかッ!?
「ククク、リュディガーくんの言う通りだよ。我々【
「何を! それこそ、テロ組織の常套句ではありませんか!」
とはいえ、これは大分マズい状況ですわ。
【
「ああ、ちなみに、【
「「「――!!」」」
――なっ。
「やれやれ、これでやっと、ボクの正義を執行できるね」
「そうですね、ブルーノ隊長」
「アッハッハ! 拙者は演技が苦手なので、バレるんじゃないかと冷や冷やしてたでござる」
「ニンニン」
第二部隊のブルーノ隊長とイルメラ副隊長、それに第四部隊のジュウベエ隊長とコタ副隊長までが、【
あ、あぁ……、この四人までも、が……。
特にジュウベエ隊長とコタ副隊長は、トウエイで共に九尾の狐と戦ってくださいましたのに、あれすらもわたくしたちを欺く演技だったというのですか!?
「ガッハッハ!
「………………え」
う、噓だと……。
噓だと言ってくださいまし、
――ヴェンデルお兄様までもが、【
「ククク、これが【