リヨンに着いて、今、俺がリヨンに用があるのは一か所だけだが、普段はインターポールの拠点があるにでそこに行くが、今日は日帰りで帰るので拠点に行く暇はない。
インターポールのプライベートジェットがあるからこそのお陰で、日帰りで行けるので今日は目的地に行き、お土産を買って帰ると言うスケジュールだった。
その間にアリシアに渡されたUSBの中を確認したら、衝撃なことが記録に残っていた。
「もうそろそろ、着きます」
「分かった」
それから、過去の思い出を振り返りながら、数分経って目的地に着いた。
俺はスーツでお花を持ち、お墓に来た。
俺は今日、親友と元カノとその父親の墓参りに来ていた。
先ずは、元カノとその父親の墓に花を手向けた。
「愛と相川さん、久しぶり。前に来た時は俺が日本に帰るって決断した時だったから、もう三、四か月経つな、なんだか久しぶりに来たって感じだよ。何から話せばいいのか分からないな。
すっかり日本に染まっているけど、休暇で日本に帰ったのに事件だらけだし仕事は入るし、休むのにはまだまだかかりそうだよ、あれから神鹿狼奈の影は無くなりつつあって、すっかりインターポールの捜査官としての仕事は減ったよ。それに、あれから色々あって婚約者が出来たり、日本で文化祭を経験したりしたよ。それに、愛が言った通り、信頼出来る人が増えたり、愛の変わりは出来ないけどそれなりに守らないといけない人ができたよ。言われた時はそんなの信じれなかったけど、今はこれからも人を守っていくよ。
悲劇はまだまだ続くだろうけどこれからも、遺言のままに傷つけた人より多くの人を守っていけるように頑張るよ」
それから、暫く雑談をした。
最後はいつも決まった、言葉だった。
「愛、ごめんね」
そして、俺は愛と相川さんの隣にある親友の墓に移動した。
俺はいつも親友には一言だけ。
「仁、お前は何があってもこれからも親友だ。たった一人の」
そして俺は、お土産を買い空港で日本に帰った。
数時間、空の旅を楽しんで帰った。
学校に着く頃には夕方になっていた。
もう、中学生とその親もいなくなり、クラスでやっている出し物の時間も終わり後は後夜祭のみとなったので教室にはクラスの皆しかいないだろう。
教室のドアを開けた。
「差し入れ持って来たよー」
「心太!!お前遅いよ」
「なんで颯太がいるんだよ」
「良いじゃん、それよりお前の面白い話いっぱい聞いたぞ!!」
「それよりさ、リヨンのお土産なんだけどパレ・ドール買ってきたんだけどクッサン・ド・リオンどっちが良いかな?って思ってチョコ系で皆好きかなって思ってパレ・ドール買ってきたんだけど、ちょっと食べてよ」
「長々と良いよその話は、それよりお前の親友が来ているぞ」
「親友?誰?」
「やあ、心太久しぶりだね」
俺は時が止まった様に、一年半の記憶が蘇った。
「お前は、なんで」
「なんでって酷いな、親友に会いに行く為に地獄からはるばる蘇って来たよ」
「仁…」
「そうだよ、お友達に沢山お話をしたよ。いや~、良い思い出になったよ」
「お前は誰だ」
「誰って、仁だよ。忘れちゃった?」
俺は目を使い。そいつが体だけの存在であると同時に以前、彩を狙って来たサイボーグの男と一緒の色が見えて、こいつがAIHと言うことが分かった。
「その間は、僕がどんな存在か分かったんだね、目を使って。相変わらず、便利な目だね」
「おい!!心太どうしたんだよ」
颯太が話しかけてくるが俺はそれを、振り切ってたまたま携帯していた拳銃を仁に構えた。
「拳銃?!」
皆が俺から離れる。
「おい、心太冗談だろ?それも玩具で盛大なドッキリなんだろ?恥ずかしがるなって」
俺は頭上に一発、引き金を引いた。
「きゃー!!」
耳を抑えて叫んで行く女子生徒がいたりその場に俺と颯太と高倉さん、安藤だけが残った。
「何やっているんだよ、心太!!」
「そうだよ、河上君!!」
「三人ともそいつから、離れろ」
「何が起きているんだよ!!」
「こいつは屍だ」
「は?」
そう言って三人とも理解が追い付かずに、突っ立っていた。
「はー、もういいや。お望み通りに僕は帰るよ」
「そうしてくれ」
「これだけは言っとくよ心太、僕はこれからマモンとしてサマエルと馬鹿なマラクを率いて、日本を潰す。勿論、その中には神鹿狼奈もいると思ってもらって構わない」
こいつがマモン?頭の整理がつかないまま、仁いや[マモン]が教室から出て行く。
それから、教員が大勢集まって来た。
「おい、どう言うこと状況だ!!」
「河上君なにそれ?!」
教員から拳銃の存在と状況を聞かれたが、今きちんと説明出来る状況でなかった。
「後で警察が来ると思うので、説明はそっちに任せます」
「こっちはそう言う訳には行かないだよ!!」
「職員室来なさい!!」
俺の手を引いて強引に連れて行こうとする教員の手を払って、強引に学校を飛び出た。
高坂が学校の前に止めていた、車に乗り込んだ。
「心太様?!」
「良いから出して」
「後夜祭まで学校にいるって」
「良いから」
「分かりました」
それから、家まで向かって家に帰った。それまで一言も話さなかった。
「心太様、どうされたのか流石に話してください」
「…、仁がAIHとして学校に来た」
「え?」
「今は一人にしてくれ」
「分かりました」