「てことは次は、お城探しですか?」と私は聞いた。
「そう言うことね、ちょっと範囲広いけれどもやってみましょうか」と『セリア』はいった。
「城って、そうポンポンできるものなのか?」と『ウィーゼル』はいった。
「存在そのものが幻影とかなら、直ぐにでも城は創れるわよ?」と『セリア』はいう。
「幻影か、また厄介なものが敵なんだな」と『ゲルハート』がいった。
「幻影だったら、探すのは少ししんどいかもね? 実体が無いから、今使っている術では捉えられないのよ」と『セリア』はいった。
「その前に、ココに一時拠点を作りましょう」と続けると。
「
その瞬間『セリア』の後ろに小屋が立った。
見た目は暗い色で構成されている、カモフラージュ効果のありそうな小屋だった。
大地の色とあまり区別がつかなかった。
「便利なんじゃな、魔法ってのは……」と『ウィーゼル』はいった。
「八時間は安全よ。ココに入る限り大丈夫よ、異界に飲まれない限り」と『セリア』は追加した。
そして、いの一番で『セリア』は中に入っていく。
そして私は『ウィーゼル』と『ゲルハート』に先に勧められたので、先に入ることにした。
「赤基調ですね」と私がいう。
「ロイヤルスイート仕様か!」と『ウィーゼル』がいった。
そして『ゲルハート』が入って来て扉をしめた。
「快適だな」と『ゲルハート』が外との違いを口にした。
四人掛けの丸テーブルが部屋の中央にあり、そこにこちらに背を向けて『セリア』はすでに座っていた。
「好きなところへどうぞ。この部屋のドアは閉めたら外から見えなくなるので
私は『セリア』の左側へ座った。そのまま『ウィーゼル』は『セリア』の向かい側に座り、『ゲルハート』が私と向かい合って座った。
「まだ外に
そして、目をつむり梟に目を移し「
「流石に、紫色の背景だから探しにくいわね」と続けた。
◇少し時間がたった。
「『セリア』大丈夫なのか? 少しは休憩をとったほうがいいのではないか?」と『ウィーゼル』がいった。
「そうね、遠視で見える範囲にはそれっぽいものが無いわ」と『セリア』が目を閉じたまま呟いた。
梟を屋根にとまらせ一緒に隠蔽の中に取り込むと、目を開いた。
「流石に一筋縄ではいかないか。直ぐ襲ってくるわけでもないしね、結構困ったわ」と『セリア』がいった。
「他の方法も試してみましょう。そうすればいい案というか、そういうものが見つかるかもしれません」と私はいった。
「他にはどんなのがあるの?」と『セリア』が聞いた。
「奇跡とか異界から探るとかですかね?」と私は思いつくところを上げた。
「奇跡っていうと神様に聞くの?」と『セリア』がいう。
『ウィーゼル』がそれに、「我々に悪を成している場所を聞けば、答えが意外と帰って来るやもしれんな」と答えたのだ。
「異界から探るのは、この前試しているのでできなくはないと思います。この前のヤツも、異界に巣を作っていましたから」と私も自身の考えを伝えた。
「そっか前のヤツも同じ種類かもしれないしね、それならば似た手口かもしれないわね」と『セリア』が納得したように
『ウィーゼル』は席から少し離れ、祈りを実行したようだった。
私も異界感覚を展開し
『セリア』がいっていたように、そんな大物がポコポコいる訳はないと思っての
「北にあるらしい、で北ってどっちだ?」と『ウィーゼル』がいった。
「対象と思わしきものを感知、発見しました。向こうです」と私は『ゲルハート』と『セリア』のちょうど真ん中辺りを指さした。
「距離はそこそこ離れてますね、遠視では見えなさそうですね。数は三で少しづつ離れています」とも告げた。