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第33話:情報交換

 『アルカナ』は氷竜と話をして傷を負って無いか聞いた後、特に問題が無かったようで召喚術式を閉じ、元の世界に送り返した。



 一旦全パーティーが集まって各自ランクを確認した。


 私はランクオール三十一になっていた。


 『ゲルハート』は闘士は二十八、探索者は二十になっていた。


 『ウィーゼル』は神闘士が二十八、法師が二十一になってた。


 『セリア』はオール二十八になっていた。


 『アルカナ』はオール二十一に、『ティナ』もオール二十一になっていた。


 『アリア』はオール二十、『ゴロー』もオール二十、『サクヤ』はオール十九、『ハルト』がオール十八であった。


 『コルト』がオール十八、『メナード』がオール十七、『シェイル』がオール十七、『ワインズ』がオール十七となっていた。


 流石さすがにこのレベルの戦闘について行くのは難しい、と『コルト』は判断できたが孤立しても勝ち目がないなら一緒に行くしかないという判断を出したようだった。


「私と今のパーティーには辛い戦いになりますが、一緒に連れて行ってもらえないでしょうか? 元に戻れる保証がありませんし、良い経験になると思いますので」と『コルト』がいった。


「確かに、元の座標が分かっていれば元に戻せるかもしれないけれども、元が分からないのでは無理に戻そうとすると危険な目に合ってしまう」と私が客観的にモノをいった。


「私は元に戻る目印を部屋に置いて、飛んできたので私なら問題なく戻れるけれども」と続けて事実を述べた。


「そう言えば『ウィオラ』ちゃんの目印って何?」と『セリア』が聞いてきた。


「師匠からの置手紙です。アレはそんじょそこらに有るモノではありません。座標を固定するのに持ってこいなんです」と私が答えた。


「普通の手紙ではないの?」と『セリア』は聞いた。


「材質からして違いますし、焼き付けてられてあるので文字が消えることもありません」と私は答えた。


「そう言えば見せてもらったことは無いわね」と『セリア』はいった。


「ココが片付いたら、一度お見せしましょうか」と私はいうと、「今わかっている情報をみんなに開示しましょう」と続けた。


「わかりやすくするために、みんなに魔法をかけてもいいですか? 危害を加える魔法ではありません、道案内の魔法です」といって様子をうかがった。


「異論はないよ、かけてみて?」と『アルカナ』はいった。


 他のみんなも、うなづいた。


 今私のパーティーに掛かっているナビゲーションを全パーティーに拡大して実施した。


 負担はほとんどない、自パーティーは緑に他パーティーは黄緑色になるようになっており、敵は全て赤になっているものである。


 かけた瞬間、「おお……これが道案内の魔法」という声があちらこちらから上がった。


「その線の先が目的地です。すでに黒い城があるということが分かっています」と私が断定的に切り出した。


「その城は大人数でなくて少数精鋭で維持されていると思われる幻の城のはずなの、だからいくさになるかもという心配は無用よ」とそれに捕捉を『セリア』が入れた。


「それに戦になっても、大丈夫よ百戦ひゃくせん錬磨れんまの私たちが居るから」と追加も忘れなかった。


「敵の正体は分かっているのですか?」と『アリア』から質問が飛んだ。


 それには「それは真魔と呼ばれる存在よ」と『セリア』が答えた。


「真魔ですか? それは強大な敵では?」と『アリア』が何か知っているというふうで返答を返した。


「何か知っていたら、教えてもらえると助かるのだけど。今は名前と瞳が紅いこと、と血の色が黒いということしか分かってないのよ」と正直にはなした。


「真魔それは、真に強い魔物の総称です。偶々ウチに文献があったので知っているだけなのですが、紅き瞳、黒き血、強大な魔力を誇り、魔王に並ぶと称されるモノたちの総称なんです。残念ながら、どんな種類がいるのかという話は書かれていませんでしたが危険な奴らであることに間違いはありません」と『アリア』がかたった。


「ですがソイツらに召喚されたのは間違いありません」と私が力強くいった。


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