音もなく宙に溶けて消える、黒い騎士たちだった。
どこもかしこも黒いが、
天井も暗い灰色である。
正面は少し
装飾は少なく重厚な扉ではない、単純なつくりの扉だった。
左右に廊下が伸びておりそちらの廊下の方が、豪華な造りとなっていた。
『ゲルハート』が正面の扉の開錠にかかった。
私は一人に戻ると、左側の廊下を『ウィーゼル』と一緒に見張っていた。
『ゲルハート』のフォロウには『セリア』が、右側の廊下には『アルカナ』と『ティナ』が見張っている。
バックアップチームの『アリア』は扉の確保を行っていた。
『コルト』のパーティーが持っていた、
『ゲルハート』がその扉も開けた。
だがその部屋は
先に左側を見に行くと『ゲルハート』が、ハンドサインで合図を皆に送った。
私たちフロントロウのパーティーで移動し始めた、『アルカナ』のパーティーも一緒である。
左の角の前で、『ゲルハート』は静止のハンドサインを出した。
小さな手鏡を角から少し出して、その先を確認し始めた。
私がハヤテをかけた上に
そして瞬間に廊下の中ほどに到達し、ワケミ弐式で四人に分かれそれぞれが角の鎧と斬り結ばずに瞬殺した。
またもや、音もたてずに消え去る黒い騎士鎧たち。
私は『ゲルハート』に向かって、クリアを意味するハンドサインを送った。
その場所は、左側に階段の踊り場を持ち右は重厚ではあるが質素なつくりの両開きの扉が右側にあって正面にも重厚で豪華な扉があった。
私が今度は階段側の聞き耳をする番だった、『ゲルハート』が来るまでには確認を終えていた。
階段の側には特に何もおらず静かなものだった、レーダーパーセプションにも特に何も居ないとしか表示されなかった。
また廊下に窓が一つもなくしかし暗いわけでもない、天井に間接照明が設置されているようだった。
扉は基本的に、『ゲルハート』が開けることになっているようだった。
階段のほうは右上がりになっているようだった。
その間に、質素なつくりの扉から開け始めた『ゲルハート』がいた。
質素なつくりの扉のほうは意外と簡単に開いたらしい、問題は重厚で豪華な造りの扉であった。
鍵穴がないらしく、魔法で開けるしかないらしかった。
なので、先に質素な扉のほうからの確認となったのであった。
豪華な廊下、敵なし、近辺に確認できず。
というハンドサインが返ってきた。
そっと開けて確認したところ向こう側に繋がりそうな長い廊下があったらしい、だが豪華さは今いる廊下の比ではないほど豪華だったらしく、一旦そっと閉めて何かありそうだとハンドサインを返してきた。
正面の扉と比較しても、ついさっき見た廊下の方が豪華だったとのことであった。
正面の扉にも引くか押すかで開くかもしれんと思っていたが実際には扉を押してもドアノブを引いても開かなかったのであり、『セリア』の出番となった。
だがいつになく慎重な『セリア』は鍵を開ける前に
一つ重要なことが分かった、扉の両側に黒い騎士鎧がありそこからさらに奥に十五メートルほど行った場所にも黒い騎士鎧が四居るというのである。
その奥の騎士鎧がいる場所には、右側に扉があり左側は廊下があるということも分かった。
右の部屋は二つに分かれており、手前が誰もいないが
奥の扉がある部屋は魔法障壁に
つまり奥の扉の右側には重要人物がいるか重要なモノがある、ということが分かったのであった。