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第36話:上階層

 ハヤテに疾風はやてをかけ私が待機した。


 『セリア』は開錠アンロッキングを実施した。


 『ゲルハート』が左側を『ウィーゼル』が右側を一気に開け、三人で飛び込んだ。


 私は奥まで飛び込んでまたもやワケミ弐式で四人に分かれそれぞれの鎧を斬った。


 『ゲルハート』が左側の鎧を叩き切って、『ウィーゼル』が右側の鎧を叩き伏せた。


 私は一旦そのまま戻って来た、『人が来る』とハンドサインを送って。


 フロントロウのパーティーみんなと私に光学迷彩オプティカルカモフラージュをかけた。


 そして私が、両側の扉を一旦そっと閉めた。


 そして誰が来たか確認すべく、中間まで行って動きを止めた。


 そしてメイドが二人でカートを押し飲み物などを持って来たが、明らかに普段と違う状況に周囲を見回すが扉も閉まっており鎧がいないだけの状況にオカシイと感じたのか豪華な造りの部屋の主人を呼び出したようだった。


 初老の男性が出て来た、確かに一瞬びっくりした様な顔をしたがすぐに何語か分からない言葉でメイドと会話した。


 何語か分からないが、メイド二人はそれだけで落ち着いたようだった。


 私自身より『セリア』がいた方がよかったかと思っていると、『セリア』から伝達テレホンがやって来た。


『悪魔語ね、それも「王の指示ではないか」ということよ。私も今隣に居るから大丈夫』とのことだった。


 みんなに光学迷彩をかけたため、自身でも誰がどこにいるか見えないのである。


『この階層に例の探知にかかった人物はいるの? いないなら他を当りましょう。その方が効率がよいわ』ということであった。


 異界探査ディファレントフィールドエクスプローションを実施した。


 するとこの階ではなく、三階ほど上の部屋に二人が固まっているのである。


 私も、『セリア』に対して伝達を使う。


『ココの階にはいませんね、三階ほど上のフロアに二人固まっています。ココはハズレですね』と伝えたのであった。


 その初老の男性はメイドからカートを引き受けると、そのカートと共に部屋の中に入っていった。


 メイド二人は何事かつぶやきながら、元来た方向に帰っていった。


 そして廊下は、元と同じ静けさが戻って来た。


 伝達を拡大してフロントロウパーティーの皆に伝達で伝える。


『ココの階に目標の真魔はいません、三階ほど上のフロアに二人固まっています。一旦ココから出ましょう』と伝えたのであった。


 『ゲルハート』がそーっと左側のドアを開けていく、開けきって出ると静かに足で押さえたようだった。


 視界左の円形透過地図には、自分とそれ以外の人の動きがわかるようになっている。


『視界左の円形透過地図を確認しながら移動を行えば問題ないですよ』と伝えるのも忘れない。


 『ウィーゼル』が先に動いて、扉から出て行く。


 『セリア』と私が扉に接近していく、その前に『アルカナ』から先に『ティナ』がその後に続いて外に出ていた。


 私と『セリア』も外に出た、それを確認すると『ゲルハート』が扉をそーっと閉めて行って音もたてずに閉めた。


 それを確認すると、『ゲルハート』が先頭を譲ってくれたので私先頭で階段を三階ほど上に上がり二人固まっている階層に歩を進めた。


 階段には何も居なかった。


 そして二人のいる部屋の前にも何も居なかった。


 その部屋はかなり大きな扉でこれでもかという程、豪奢ごうしゃに飾り付けられていたのはいうまでもない。


 無言で、『ウィーゼル』が皆にハイブレッシング! ホーリーアトリビュートアーマー! ブーステッドアーマー! ペイトロン! タリスマン! リミット・アンプリフィケイション! と一気に唱えた。


 同じく無言で『セリア』も、ハイエンドエンチャントとダブルプロテクトを全員にかけたのであった。


 私も無言のまま、アナザーソードと異界耐性を皆にかけたのである。


 丁度、光学迷彩の持続時間が切れたのであった。


 みんなの姿が、見えるようになったのである。


 だが、警報やその手の類のものは何も反応しなかった。


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