目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第37話:魔王と側近

 マジックレジストを無言のまま、全員に拡大がけした。


 その両開きの大扉には鍵がかかっていなかった。


 みなに開けるよというハンドサインを送る。


 そして一気に勢いよく開ける、音をさせない程度に一気に開け切った。


 そして全開駆動フルドライブを実施する。


 玉座に座っていたモノとその隣に立って何事か会話していたモノが振り向いて、共通語コモンでいった。


「なぜ、お前がいる!! 招待した覚えはない!! 白き伝説の乙女よ!!」と玉座に座る人型の真魔がいった。


「知った事か! 私だけのけ者にするからだ!」と私が力強くいった。


「そうか貴様きさま! 存在をいつわったな!」とその側近が気が付いたようだった。


「もう遅い! 全開で潰させていただく!」と私が切り返した。


「暗黒竜が負けるわけだ! こうなれば!!」と魔王がその姿を変貌へんぼうさせた。


 全身の筋肉がはち切れんばかりに隆起し、上衣が弾け飛んだ。


 私はそのまま、風のように疾駆し聖刀で斬りつけた。


 だが魔王の名は伊達ではないらしい、近くにあった両手剣を瞬間的に呼び出しそれで受けたのだ。


 私と魔王の間にスパークが走った。


 斬り結び続けるわけにもいかないので、一旦フライトをコントロールすると上に向かって斬り抜けた。


 まさか上に逃げるとは思わなかったらしいが『ゲルハート』がその隙を逃すはずはない、ハヤテをかけ瞬間にグレートソードを抜いて斬り込んだ。


 『ウィーゼル』は今回は支援に回っているようだった。


 いったん離れた私に、側近から放たれた誘導弾ホーミング・ミサイルが迫る。


 私は振り向きざまに、その迫りくる誘導弾を斬り払った。


「なんだと!」と側近がいった。


 『ティナ』が側近に斬りかかった。


 『セリア』が魔力弾マジックバレットを強化して側近目掛けて撃ち込んだ、ついでに皆の頭の上に白い王冠ホワイトクラウンが載った。


 『アルカナ』も負けてはいないプロミネンス・カノンを側近に叩き込んだ。


 側近が翼を生やし、飛行した。


 空中で私と斬り結ぶべく飛んできているのが分かるが、私は空中で一旦納刀した。


「!」と側近が驚くが「魔王様の邪魔はさせぬ!!」といって両手杖で打ちかかって来た。


 私は空中で静止して、側近のすき見出みいだす。


 見えた瞬間、神速の居合でその杖ごと側近を斬り伏せた。


 落下している最中に氷結フリージングがかかり、側近が氷の中に閉じ込められた。


 魔王が「な!!」といっている暇もなく、『ゲルハート』が一方的に打ち込んでいく。


 終始、防戦一方の魔王であった。


 そこに私も左横から加わった。


 『ティナ』も反対側からレイピアで突きに来た。


 魔王が吠える、周囲にいかづちが落ちる。


 私はその場で軽く旋回しあっさりと避けた。


 『ティナ』も一瞬後方に軽く飛んでかわした。


 『ゲルハート』が雷に当たってしまった。


 軽くスタンが入ったようで、『ゲルハート』の剣速が落ちた。


 本腰で聖刀にオーバーブーストで白い雷をまとわせ、魔王と斬り結ぶ。


 私は連撃から、ディフェンスブレイクを放ちそこにフルブレイクを打ち込んだ。


 魔王の両手剣と激しいぶつかり合いがあって激しいスパークが飛び散る。


 手数は私のほうが上だった、徐々に魔王に傷が蓄積ちくせきしていった。


 『ゲルハート』にリフレッシュがかけられた、『ウィーゼル』である。


 『セリア』が遅延ディレイを魔王にかけた。


 魔王がもう一度吠える。


 魔王の周りが雲で見えなくなった。


 私はその雲に触れないように、全開で回避機動を行う。


 『ティナ』と『ゲルハート』がその雲に接触して、二人がその場に崩れ落ちる。


 その雲を対象にとってチャージグラビティープラン、前方という。


 その瞬間、雲が吹き散らされた。


「何っ!!!」と魔王が深紅の目を見開いた。


 私はその隙を見逃さなかった。


 真っ向唐竹割を実施する、全ての精神力を叩き込んで魔法武具創出を聖刀の上に乗せる。


 それにもオーバーブーストをかけた。


 魔王が両手剣で受けた、だが私はその剣を叩き折って魔王に聖刀が届いた。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?