三日目になった。
「今日は一日ゆっくりね、この前は色々起きたけども」といいながら荷物の整理をする『セリア』がいた。
「旅の準備が出来たら、ゆっくりと休もう」と『ゲルハート』はいって準備をしに馬車のところまで行くのであった。
「そうですね、今日はゆっくりしましょう」と私も同意した。
「そうじゃな、今日はこの前みたいにならないほうがいいな」という『ウィーゼル』がいたのであった。
「そう言えばまだ、パーティーの分割線を決めてないがどうするんじゃ」と続けた。
「分割線って?」と『セリア』は聞いた。
「休憩時の休む順番じゃ」と『ウィーゼル』がいう。
「前衛二、後衛一は分かるとして。どちらにどちらが入るんじゃ?」とさらに聞いた。
「ああ、『アルカナ』さんと『ティナ』さんの話? それならもう決まっているわよ? 『ティナ』さんにこっちに加わってもらって、そっちに『アルカナ』さんよ?」と『セリア』がサクッといった。
「あぁ、もう決まってるのか? ならいいんじゃが」と『ウィーゼル』はあっさり認めたのであった。
「そりゃそうよ、だって。『ウィオラ』ちゃんと『ウィーゼル』は前衛じゃない、そこに前衛入れてどうするのよ。自分で言ってたじゃない、前衛二、後衛一だって」と『セリア』が説明した。
私は術の起動構成を変更していた。
魔法はこういう暇な日に、調整するほうがいいのだ。
特に最初にかける『
調整というのは一瞬で全てがかかるように構成を変更したり追加したりするもので頭の中で組み上げるものである。
見えないモノなのだ、書き出したりするのは誰かが別に使うときは書き出す必要があるが。
今回は、全開駆動にもう一つ魔法を加えるためにこの作業時間を取っているのである。
私は、この魔法のパックを数個持っている。
偶々よく使うのが、この全開駆動だというだけである。
次に使うのが、限界駆動である。
これ以外に魔法剣創出や全開放などがあるのだ。
◆ 視点はまた変わる。『ウィーゼル』視点
「『ウィオラ』がやけに静かだが、寝てしまったわけではなさそうだが」と俺がいった。
『セリア』が「今は思考中だから触らないであげてね。集中しているのよ」と俺を止めた。
「思考中? 何を考えているんだ」と俺は不思議そうに聞いた。
『セリア』は「多分魔法の構成を組み替えてるんじゃないかしら。私も偶にやるから分かるんだけど、あれは時間かかるのよー。ふと気が付いたら、夕食前だったとかいうこともあるわ。静かなの定義にもよるけど、目を開いていて集中しているようならそっとしておいてあげる方がいいのよ」といった。
そこに『ゲルハート』が帰って来た。
「一応変化しないものとかは積み終わったぞ、酒も今回は積んでおいた。面白いのが売ってたのでそれにしたが」と『ゲルハート』がいうのだ。
「どんなものが売ってたんだ? 面白いモノっていうのは」と俺が聞いた。
『ゲルハート』は愉快そうに「今まで保存食のパックはあったよな、それの酒版みたいなのが出てたんだ。とりあえず赤葡萄酒と白葡萄酒を、それぞれ三十本ずつな」といったのである。
「六十本もか? 日持ちしそうだがどれくらい持つんだ?」と俺は聞くことになった。
「
「で
「これが実は瓶じゃねーんだな、俺も初めて見たが魔法素材らしいんだ革よりも軽くて防水効果もあるらしい。それに酒が入っているときは立体的だが、酒が無くなるとペラッペラになるんだな。だから、かさばらないんだ」と『ゲルハート』がいった。
「で
「確かビニールって言ってたんだが、よく分からなくてな。ビニールパックというらしいんだ」と『ゲルハート』がいった。