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第1話 東回り

 その正式な書簡を読み終わると、元通り筒の中に仕舞った。


「ありがとうございました、私は今日はここプレグレードに宿をとって明日には出立します」とギルドマスターに伝えた。


「そうか、引き止められなくてすまない」とプレグレードのギルドマスターが謝った。


「お名前をお聞きしてもいいですか?」と私はギルドマスターにいった。


「私はギャラン・エーレックスと言う、アイツによろしく言っておいてくれ」といわれたので「ウィオラ・オルビス・テッラエと申します。お時間をありがとうございました」といって一礼すると、ギルドマスターの部屋を後にした。



 その足で一階まで下りて、ギルドを出た。


 こちらの表情に勘付いたのか、誰も何もいわなかった。


「とりあえず、大きい宿屋に泊まりましょう。話はそれからです」といって白馬を『ウィーゼル』から受け取り一番大きい宿があると思われる大通りに面したところまでいった。


 プレグレードで一番大きいといううたい文句の、セレハン商会の宿屋に泊まることになった。


 リーダーである者のギルド証を見せることが決まりとなっているので私のギルド証を見せると「白き伝説の乙女……」とまたいわしてしまったがそれは仕方が無かった。


「馬七、馬車一」と伝え従業員に対応してもらった。


 部屋のほうも、ロイヤルスイートトリプルツインという部屋を手配してもらった、いわゆる六人部屋である。


 部屋に入って荷物を置いてから、正式な書簡だけ持ち出して中央の部屋に全員集まり内容を見せた。


「行くしかないわね」とは『セリア』の一言だったし『アルカナ』と『ティナ』も「お供します」といってくれた。


「時間を伸ばしておいて正解じゃな」と『ウィーゼル』がいった。


 どうやら修行期間を延ばしていたらしい。


「俺も行く、ここで見捨てるのは男のする事じゃねえ」と『ゲルハート』がいった。



 私は簡易地図を広げ「ディルサイプ周りで、妖魔の森の東側を回って北に抜けましょう」といった。


「時間はあります。焦らず行きましょう」といって正式な書簡をまた筒の中に入れた。


 そしてその筒を、荷物の中に大切にしまった。



 ロイヤルスイートトリプルツインは一人当たり五十ゴルトで済んだため。


 私の現額が、四クリプト二百二十九プラナ三十七ゴルト七十七シルズ八十ブロスとなったわけである。


 旅行財布の中身[1.164kg]

 一Cl×四[0.28kg]

 五十P×四[0.34kg]、十P×二[0.09kg]、五P×一[0.03kg]、一P×四[0.024kg]

 五十G×零[0.00kg]、十G×三[0.09kg]、五G×一[0.025kg]、一G×二[0.03kg]

 五十S×一[0.05kg]、十S×四[0.14kg]、五S×一[0.025kg]、一S×二[0.04kg]


 旅行小銭入れの中身[0.16kg]

 五十B×零[0.00kg]、十B×八[0.16kg]、一B×零[0.00kg]

 五十Ca×零[0.00kg]  貨幣全重量一.三二四キログラム、


 体重を除く全備重量が六十六.一八四キログラムとなったのであった。


 その日の夕飯は、本式とせずルームサービスとしたのであった。


 英気を養う必要はあるが、不用意に悲しみは見せないほうがいいという『セリア』の一言があったからでもあった。


 パーティーのリーダーが悲しそうな表情をしていたら何かあったと勘繰られてしまい余計なあらそいやいさかいを生んでしまう可能性がある。


 といわれると、確かにそうかなと思ったのである。


 今の私は、うれいともかなしみといった顔もしているのだから。


 そして夕食をルームサービスで終えると、私と『セリア』、『アルカナ』と『ティナ』、『ゲルハート』と『ウィーゼル』の部屋割りで寝に入ったのであった。


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