バタバタバタバタ
(鳥が一斉に羽ばたく音)
「ええ、何?何?」
ホタルも本能的に異変を感じ、華の元に急ぎ駆け戻ってきた。
次の瞬間。
ドドドド!
突然、華の立つ真下の足場が激しく崩落し始める。
急に足場を失った彼女はそのまま絶壁へと、まるで雪崩に巻き込まれるかのように落ちていった。
しかし、かろうじて崖の真ん中辺りの岩石から顔を出す木の幹を掴んで一命を取り留める。
(え、地盤の岩まで脆くなっていたなんて、こんなはずじゃ……)
その現場で事の一部始終を見ていたホタルの顔は青ざめ、彼女は小指で唇を噛みながらワナワナと小刻みに震えていた。
「ねえ、ホタルお願い。だれか、だれか助けをよんできて……」
華は歯を食いしばり、幹を掴んだ腕をプルプルさせながらホタルに懇願する。
すると、ホタルが答えた。
「わかったわ!ちょっとそのまま我慢してて!!」
ホタルは誰かに助けを呼ぶためにその場から離れる。
そしてしばらくすると、ホタルが一人で戻ってきて、崖の上から顔を覗かせた。
「助け、呼んで来てくれたの?」
「ハァハァハァ」
ホタルは荒れた息を整えながら、二人の仲間カザシネとタエマが、下に麻布を広げて待機している姿を指差した。
その時だった。
「
崖の下からだった。崖の下から華の名前を叫ぶ男の声がする。
それは、イナツナだった。
彼はすぐさま崖下の華の真下へと駆け寄る。
すると。
「あっ!」
華は彼の声に安心したその心の緩みから、
つい、木の幹を掴んだ方の手の力を緩めてしまった。
「
「
イナツナに続き、ホタルとカザシネとタエマの三人も勢いよく落下していく華の名前を叫ぶ!!