翌年。その年は一年を通じてお日様の光が隠れる日が多発するという未曾有の異常気象の年だった。
今は夏だと言うのに空は一日中暗い雲に覆われ、動物も姿を消し、作物も育たず、村に深刻な飢餓が襲う。
村の大人たちの会合で、目隠しされた弓手の赤い矢が刺さった家の子が河の神様の生贄になることが決まった。
そして。その矢は奇しくも華の住む住居の屋根を貫く。
華は村人が代々豊作の神と祀っていた河の神の生贄に選ばれてしまった。