機械神の神殿。
黄泉の国へと続く道。
世界の謎。
長老から聞かされた話は、ミタの心を激しく揺さぶった。
(知りたい。私は、全てを知りたい。)
自分の過去、自分の存在意義。
それらの答えが、機械神の神殿にあるのだとしたら。
ミタは、いてもたってもいられなかった。
夜が更け、村人たちが寝静まった後も、ミタは一人、灯りの下で古文書を読み漁っていた。
機械神の神殿に関する記述はないか。
黄泉の国への道の手がかりはないか。
ミタは、藁にもすがる思いで、文献に目を走らせる。
何日も、何週間も、ミタは文献を探し続けた。
時には、眠りに落ちてしまうこともあった。
それでも、ミタは諦めなかった。
そして、ついに、その時は来た。
古文書の中に、機械神の神殿へと続く道の記述を見つけたのだ。
それは、深い森の中に隠された、小さな祠から始まる道。
(あった……! 本当にあったんだ……!)
ミタは、喜びを噛み締めた。
しかし、同時に、不安も募った。
本当に、自分は黄泉の国へ行くべきなのだろうか。
二度と戻れないかもしれない場所へ。
しかし、それでもミタの決意は揺るがなかった。
自分の過去を知りたい。
自分の存在意義を見つけたい。
その強い思いが、ミタを突き動かしていた。
次の日の朝早く、ミタは旅支度を始めた。
一日分の食料、薪をするための道具、そして寒さを凌ぐための厚着。
最低限の荷物をまとめ、ミタは森へと向かった。
空はまだ薄暗く、鳥たちの鳴き声が静かな森に響き渡る。
ミタは、古文書に書かれた地図を頼りに、祠を目指して歩いた。
深い森の中は、薄暗く、じめじめとしていた。
木々の間から差し込む光が、まるで道案内のように、ミタを導いてくれる。
(私は、きっと、辿り着ける。)
ミタは、そう自分に言い聞かせる。
そして、一歩、また一歩と、黄泉の国へと続く道へと、足を踏み入れていった。