深い森から長い地下通路を抜け、ミタはついに禁断の地、機械神の神殿の前へと足を踏み入れた。
門を超え鬱蒼と茂る木々を抜けると、目の前に巨大な建造物が姿を現す。
それは、まるで古代の神殿のように、荘厳で、威圧感に満ち溢れていた。
しかし、その外観とは裏腹に、神殿の中を除くと、そこは無機質で、冷たい雰囲気に包まれていた。
ミタは勇気を出して一歩中へと足を踏み入れる。
すると、ひんやりとした空気が肌を刺す。
壁には、奇妙な模様が刻まれており、まるで生き物のように、蠢いているようだ。
ミタは警戒しながら、神殿の奥へとゆっくりと進んでいく。
すると、突き当たりの神殿の中央に、巨大な扉がそびえ立っていた。
扉には、複雑な紋様が刻まれており、まるで何かの封印のようだ。
ミタは、扉の前に立ち止まり、紋様をじっと見つめる。
すると突然、紋様がうっすらと光り始めた。
それは直ぐに眩い光となり、ミタの目を覆う。
そして、光が消えると、扉はゆっくりと開かれた。
扉の奥には、長い廊下が続いていた。
ミタは、深呼吸をし、廊下へと足を踏み入れる。
廊下の両側には、まるで歯車や水車のような複雑な形をした様々な道具が並んでいる。
どれも見たことのないものばかりで、ミタは興味津々だった。
(これは……一体何だろう……?)
ミタは、道具の一つに近づき、じっと見つめた。
それは、石でできた不思議な形をしていて、表面には細かい模様が刻まれている。
(まるで生き物みたい……)
ミタは、そっと道具に触れてみた。
ひんやりとした感触が、ミタの指先を伝わる。
道具は、微かに振動しているようだ。
(動いている……?)
ミタは、目を丸くした。
こんな不思議な道具、今まで見たことがない。
(一体、この道具は何に使うのだろう……?)
ミタは、道具を手に取り、じっくりと観察した。
しかし、使い方は全くわからない。
(わからないわ……)
ミタは、道具を元の位置に戻し、廊下の奥へと進んだ。
廊下の突き当たりには、また大きな扉があった。
今度は、ピカピカと青白く輝く扉だった。
ミタは、扉に手をかける。
しかし、扉は重く、ミタのか弱い力では簡単には開けられる気がしない。
それでもミタは諦められず、
助走の反動を利用し渾身の力を込め扉を開けた。
すると扉の隙間から眩しい光が溢れ出し、その先には真っ白くて広い空間が広がっていた。
慣れない眩しさにまだ目が慣れないミタは、辺りを手探りで見渡しながらゆっくりと歩く。
そして、目がようやく馴染んだころに初めて気付いた。
広い空間の中央。そこには巨大な歯車や水車を複雑に組み合わせたようなゴツゴツとした大きくて怪しげな何かがいて、
こちらの様子をじっと伺っていた。