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71.しん・時の氏神

========= この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

南部[江角]総子(ふさこ)・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。

南部寅次郎・・・南部興信所所長。総子の夫。

大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。

足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。

河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。

小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。

愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった。

本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー。暫く米軍に研修に行っていた。

大前[白井]紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。

神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。

芦屋一美(ひとみ)警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。

用賀[芦屋]二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。

芦屋三美(みつみ)・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。


小柳圭祐警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。

真壁睦月・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査。

佐々一郎・・・元曽根崎署刑事。横山と同期。大阪府警テロ対策室勤務。通称佐々ヤン

指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。

用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。

デビッド・ジョンソン・・・アメリカ空軍軍曹。EITO大阪支部専従パイロット。


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= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =

==EITOエンジェルズとは、女性だけのEITO大阪支部精鋭部隊である。==


※大阪取引所とは、諸藩の蔵屋敷があった江戸時代の大坂の米穀取引所を起源に、五代友厚らが発起人となって設立された大阪株式取引所が前身である。なお、1730年(享保15年)に設立された堂島米会所で行われた帳簿上の差金の授受によって決済を行う「帳合米取引」が、世界で最初の公設の商品先物取引である。この伝統から、大阪株式取引所の草創期から帳合米取引をベースにした定期取引(および後の清算取引、現行法でいう先物取引の方法にあたる)が行われていた。

太平洋戦争後は大阪証券取引所(大証)として、東京証券取引所(東証)とともに日本の株式市場の一翼をなしていた。大阪府大阪市中央区北浜大阪証券取引所ビルに本店が所在する。

大阪・中央区の大阪取引所で行われた新年恒例の『大発会』には、取引所や証券会社、それに、ことし4月に開幕する大阪・関西万博の関係者などおよそ100人が参加した。

『大発会(だいほっかい)』とは、年初の最初の取引日のことである。


午後2時。EITO大阪支部。会議室。

「明日は、宵戎か、早いなあ。去年は『ほーえーかご』事件があって、大変やったなあ、総子。」「兄ちゃんも活躍したな。今年も知事は乗るの?」「いや、去年で懲りたらしい。そらそうやわなあ。」

大前は、きょとんとしている小町に『ほーえーかご』の由来と事件のあらましを説明した。

去年のこの頃は、小町はまだEITO大阪支部に参加していなかったのである。

「へえ。そら懲りるわ。」と、小町は感心した。

ヘレンが司令室からスピーカーを通して言った。

隣の部屋だから、生の声と2重に聞こえるのだが。

「コマンダー、チーフ。芦屋総帥から緊急入電です。」

マルチディスプレイに、芦屋グループの総帥、EITOのオーナー芦屋三美が映った。

「今ね、ウチのグループのホームページの『問い合わせ』に変なメッセージが届いたの。読むわね。『だいほっかい、が危ない。至急対処されたし。しん・時の氏神』」

「時の氏神?ピスミラかな?」「兄ちゃん、しん、が付いてる。」

「『本当の助っ人』って意味かな?総帥、だいほっかいって、証券取引所の『仕事始め』の儀式ですよね。女性が会社持ちの費用で『晴れ着』着るので有名な。警戒すべきなのは、大証だけかな?」

「流石、小町は良いとこに気がつくわね。念の為、東京支社に調べさせたら、東京支社のURLにも同じ文章が届いたらしい。送り主のメールアドレスは存在しないメールアドレス。EITO東京本部と警視庁に連絡させたわ。こちらも府警に連絡した。今、小町から晴れ着の話が出たけど、着物に火を点けられたら大変だわ。会が終るのは、3時過ぎよ。」

午後3時過ぎ。中央区北浜。大阪証券取引所ビル。

出てきた晴れ着の女性めがけて、走って来たトラックから火炎瓶が投げられた。

だが、寸前で、大きな網が飛び出て、彼女達には届かなかった。

4台のホバーバイク、二美・用賀、いずみ・弥生のツインキャッチネットが捉えたのである。発火する直前、デビッドがオスプレイから冷凍弾をネットに落した。

ホバーバイクとは、ある民間会社が開発、EITOが採用、改造した『宙に浮くバイク』であり、ツインキャッチネットとは、2台のホバーバイクから発射された網が空中で絡んで合体する、強靱な網である。

予め、周囲に『通行止め』をしてあったので、見事な『ねずみ捕り』に男達は捕まった。

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと我らを呼ぶ。参上!EITOエンジェルズ。満を持して。」

小町の口上が決まったところで、EITOエンジェルズは『素手』で10人の男達を倒した。

総子が長波ホイッスルを吹いた。

長波ホイッスルとは、犬笛に似た笛で、主に、『待機中』の警官隊に『戦闘終了』の合図を送る笛である。

EITOガーディアンズの格好の大前が、社長に頷き合図をした。

午後5時。EITO大阪支部。会議室。

帰って来た大前達に、紀子が「さっき、東京本部から『晴れ着を汚そうとした、闇バイトの少年達を捉えた』と連絡がありました。」と報告し、「小柳警視正から連絡があり、闇バイトの少年達の仕業だったらしい、と言って来ました。」と、ヘレンが報告した。

「少なくとも、今回は、『しん・時の氏神』に東京・大阪、助けられた形ですね、コマンダー。」と、ぎんが言い、「ホンマに味方かなあ。」とジュンが首を傾げた。

「明日、『えべっさん』にお参りして、笹買うてくるか。」

「ウチは、『商売繁盛』せん方がええと思うけど。」

「あ。笹は止めとくわ。」

そこに、佐々刑事と真壁と一美がやって来た。

「呼んだ?」と、佐々は言った。

午後7時。南部家(芦屋のマンション)。

「はい、一日遅れの『七草粥』」と、三美が智子に渡した。

「何日遅れでも、健康のためのおまじないやからな。総子、今日は『ゆず湯』やで。」

「温泉やな。」「温泉やな。」

「しかし、今回は完璧に未然に防げたけど・・・。」

「大丈夫よ、南部さん。私、心当たりがあるわ。」

三美の言葉に、一同は目を見張った。

―完―




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