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第34話 不思議な夢

見慣れた寝具店の店内。

そこには、事故前のハルがいた。

ハルはいつものように明るい笑顔で、聡子に話しかけてくる。


「主任!新しい枕が入荷しました!」

ハルはそう言うと、ふわふわの枕を抱えて現れる。

聡子がその枕に触れると、なぜか温かい気持ちになった。


「ハル……」

聡子は、夢の中のハルに抱きつく。

すると、ハルは優しく聡子の頭を撫でてくれる。

「大丈夫。いつも通りですよ」

ハルの温かい言葉に、聡子は安心した。




聡子はハッと目を覚ます。

…………。

そこはいつもの部屋だった。

さっきのは……夢?

でも……。

ハルの温もりが、まだ手のひらに残っているような気がした。

聡子は深呼吸をすると、ベッドからゆっくりと起き上がる。


「ハル……」

聡子は静かに彼女の名前を呟く。

そして、心の中で誓った。


"ハルを、絶対にあきらめない"

聡子は、もう一度ハルと笑顔で働ける日を夢見て、今日もお店へと向かう。



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