見慣れた寝具店の店内。
そこには、事故前のハルがいた。
ハルはいつものように明るい笑顔で、聡子に話しかけてくる。
「主任!新しい枕が入荷しました!」
ハルはそう言うと、ふわふわの枕を抱えて現れる。
聡子がその枕に触れると、なぜか温かい気持ちになった。
「ハル……」
聡子は、夢の中のハルに抱きつく。
すると、ハルは優しく聡子の頭を撫でてくれる。
「大丈夫。いつも通りですよ」
ハルの温かい言葉に、聡子は安心した。
聡子はハッと目を覚ます。
…………。
そこはいつもの部屋だった。
さっきのは……夢?
でも……。
ハルの温もりが、まだ手のひらに残っているような気がした。
聡子は深呼吸をすると、ベッドからゆっくりと起き上がる。
「ハル……」
聡子は静かに彼女の名前を呟く。
そして、心の中で誓った。
"ハルを、絶対にあきらめない"
聡子は、もう一度ハルと笑顔で働ける日を夢見て、今日もお店へと向かう。