「はぁ……やっぱりいい年してオムツをはいてる自称女(厨二)に説明するのって骨が折れるわね」
少女は小さくため息をつき、あたかも蓮姫の未熟さに呆れ果てたような目で見つめる。
「いい? これはゲームじゃ無いの!
私がこれから貴方に託した武器での戦闘の基本を教えてあげるわ。……感謝しなさいよね!」
少女が腰に手を当て、どこか得意げに胸を張る。
「い、いや別にあんたに頼んでないんだけども……」
「頼まれてないけど教えてあげるの!
素直に『お願いします』って言いなさいよ!」
「あ、あんた……ちょっと話の強引さに磨きかかってねぇか?」
「なに? あなた本気で戦いたくないってわけ? 今さら怖気づいたの?」
「ぐっ……やるよ! やればいいんだろ!」
「ふふっ、その意気よ。じゃあさっそく始めるわよ」
少女は、蓮姫の持つ武具とは対照的な、炎をまとった戦器を手に掲げる。
そして、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、こう言い放つ!
「これが私の武器、変炎の武具 パイロ・モーファー!
炎の魂を宿し、どんな形にも変化する最強の戦器よ!」
蓮姫は、その武具から放たれる灼熱のオーラに思わず息を呑んだ!
だが、少女はそんな蓮姫の動揺など意に介さず、冷たくも堂々と続ける!
「そして、あなたが握ってるのは変光の武具 ルミナス・トランザー!
ダークマターによって超自然的に屈折した光が剣、槍、盾――まるで生きてるかのように変形するの!」
蓮姫は思わず手に握った武具を見つめる。
その輝きは、まるで心臓の鼓動のように脈打っていた!
少女は余裕の笑みを浮かべ、さらなる武具の秘密を明かし始める!
「この宇宙には、全部で七種の変化の武具が眠ってるの!
私とあなたが持っているモノの他には……、
影を縫う
水の流れを操る
大地の意志を刻む
風の囁きを映す
そして……、もう一つ。"変神の武具……"
これは実在した記録は無いけど、遥か古から人々の間で伝説として語り継がれているらしいわ。
蓮姫の視線は、少女が言葉を切ったその武具の名に吸い寄せられる!
少女はニヤリと笑い、炎の武具を軽く振りながら蓮姫を挑発的に見据えた!
「じゃあ、先ずは防御技から!
攻撃フォームのままでも、防御はできるわ。
変幻の武具を自分の体の周りに巻きつけることで、敵の物理攻撃や小範囲の攻撃魔法を一時的に弾いたり、盾みたいに前方にバリアの形にして防ぐことも可能よ』
少女がそう言うと同時に、彼女の持つ炎の武具が鞭のようにしなり、彼女自身の体を守るように球状に巻き付いた。