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第44話 バトル・チュートリアル②

「はぁ……やっぱりいい年してオムツをはいてる自称女(厨二)に説明するのって骨が折れるわね」

少女は小さくため息をつき、あたかも蓮姫の未熟さに呆れ果てたような目で見つめる。


「いい? これはゲームじゃ無いの!

私がこれから貴方に託した武器での戦闘の基本を教えてあげるわ。……感謝しなさいよね!」

少女が腰に手を当て、どこか得意げに胸を張る。


「い、いや別にあんたに頼んでないんだけども……」


「頼まれてないけど教えてあげるの! 

素直に『お願いします』って言いなさいよ!」


「あ、あんた……ちょっと話の強引さに磨きかかってねぇか?」


「なに? あなた本気で戦いたくないってわけ? 今さら怖気づいたの?」


「ぐっ……やるよ! やればいいんだろ!」


「ふふっ、その意気よ。じゃあさっそく始めるわよ」


少女は、蓮姫の持つ武具とは対照的な、炎をまとった戦器を手に掲げる。

そして、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、こう言い放つ!


「これが私の武器、変炎の武具 パイロ・モーファー!

炎の魂を宿し、どんな形にも変化する最強の戦器よ!」


蓮姫は、その武具から放たれる灼熱のオーラに思わず息を呑んだ!



だが、少女はそんな蓮姫の動揺など意に介さず、冷たくも堂々と続ける!

「そして、あなたが握ってるのは変光の武具 ルミナス・トランザー!

ダークマターによって超自然的に屈折した光が剣、槍、盾――まるで生きてるかのように変形するの!」


蓮姫は思わず手に握った武具を見つめる。

その輝きは、まるで心臓の鼓動のように脈打っていた!


少女は余裕の笑みを浮かべ、さらなる武具の秘密を明かし始める!

「この宇宙には、全部で七種の変化の武具が眠ってるの!


私とあなたが持っているモノの他には……、

影を縫う変闇の武具シャドウ・シフター!


水の流れを操る変水の武具アクア・フローター!


大地の意志を刻む変岩の武具ストーン・トランスマッター


風の囁きを映す変風の武具エアロ・ウィスパー!


そして……、もう一つ。"変神の武具……"

これは実在した記録は無いけど、遥か古から人々の間で伝説として語り継がれているらしいわ。


蓮姫の視線は、少女が言葉を切ったその武具の名に吸い寄せられる!


少女はニヤリと笑い、炎の武具を軽く振りながら蓮姫を挑発的に見据えた!


「じゃあ、先ずは防御技から!

攻撃フォームのままでも、防御はできるわ。

変幻の武具を自分の体の周りに巻きつけることで、敵の物理攻撃や小範囲の攻撃魔法を一時的に弾いたり、盾みたいに前方にバリアの形にして防ぐことも可能よ』

少女がそう言うと同時に、彼女の持つ炎の武具が鞭のようにしなり、彼女自身の体を守るように球状に巻き付いた。

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