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第52話 マグナ第二形態

戦場が吠える——!


ゴゴゴゴゴ……ッ!!


大地が震え、轟音が戦場に響く。

マグナが岩の殻を脱ぎ捨て、彫刻のような肉体をさらけ出した瞬間——その気配は激変していた。


まるで鍛え抜かれた戦士のごとき肉体。

しなやかでありながら圧倒的な強度を持つ腕。

動作に一切の無駄がなく、凄まじい破壊力と速度を秘めた——まさに格闘の化身。


「さあ、俺の本気を見せてやる——。」


その言葉と同時に、マグナの姿がかき消えた。


バッ!!


「——ッ!」


姫はすぐさま警戒する。

しかし——遅い。


ドガァァッ!!


爆発のような衝撃が彼女の腹部に拳が突き刺さり、そのまま宙を舞うように吹き飛ばされた。


「ぐっ……!!」


口から息が漏れる——いや、息が詰まるほどの衝撃だった。

まるで岩そのものを叩き込まれたかのような威力。


しかし、マグナの猛攻はここからが本番だった。


姫が体勢を整える間もなく——


シュバッ!!


マグナの拳が第二の猛撃として襲いかかる!


「くっ……!」


彼女は咄嗟に後方へ跳躍する——だが、それすら見透かされていた。


「逃がすかッ!!」


ガガガガガ!!


嵐のような連撃。

左ジャブ、右ストレート、肘打ち、回し蹴り——すべてが洗練され、完璧なコンビネーションで繰り出される。


姫は何とか腕を交差させ防御の構えを取る。

しかし——


バキッ!!


マグナの右拳が姫のガードを粉砕する。

その瞬間、彼女の体が反動で大地へと叩きつけられた。


「……っ……ぐ……!」


全身が痛みを訴える。

だが、ここで止まるわけにはいかない——。


彼女は必死に立ち上がり、風を纏う。

しかし——


「俺には無駄だ。」


ゴゴゴゴッ!!


マグナの足元から赤黒い闘気が噴き上がる。

それはまるで嵐のような勢いで、彼の全身を覆い尽くしていた。


「物理ダメージ無効。風ダメージも無効。お前の風回避も——通用しない。」


——絶望。


「そんな……!」


姫は愕然とする。

これまでの戦いでは、風を武器にして勝利を掴んできた。

しかし、マグナの第二形態は、そのすべてを封じる力を持っていたのだ。


回避できない。

攻撃できない。

防御しても無意味。


「終わりだ!!」


ゴォンッ!!


マグナの膝蹴りが姫の顎を打ち抜く。

意識が揺らぐ。

だが、まだ終わっていない——!


マグナが跳躍し、高速回転からの踵落とし——!


ドガァァッ!!


その一撃が彼女の肩に命中する。

地面が抉れ、衝撃波が戦場全体を覆うほどの強烈な蹴り。


「くっ……このままじゃ……!」


彼女は痛みを堪えながら、次なる攻撃を警戒する。

だが——


マグナはすでに次の動作に入っていた。

彼の身体が再び沈む。


低い姿勢から、無駄のない踏み込み——そして——!


「これで終わりだ——!!」


マグナの拳が閃き、顔面へと突き刺さる——!!


翠嵐の姫〔蓮姫〕、危機一髪!!


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