<ここ迄のおさらい>
当作は [序・破・急] の三部構成です。
当話では、これまでをまとめにより激変の第三章への準備をしたいと思います。
◆第一章―― 【序】目覚め
兄に恋人が出来てしまう。この人が誰かのものになる事、それは淡い恋心を抱き始めていた
【 妹の謎の死への願望に歯止めをかけ、兄のトラウマを満たす相互の約束 】
・癒しの力で必ず守るからずっと生きてて欲しい
・そうしてくれて、望んでくれる限り死なずにいる
この事は澄美怜にとって永遠の誓いに相当する事でした。つまり生涯パートナーでなければ成しえないと。
しかし兄妹関係は法的にも社会的にも結ばれることの許されない仲であると、約束後に知った。
一方、兄は妹だからこそ恋愛破綻もなく愛し続けることが出来る存在だとして妹へ秘めた想いを封印して約束を貫こうとする。
だが育ってしまった恋心をぶつけて来る妹。裏腹な本心を抑えつつ妹をいなし続け、それでも守ろうとする兄。
そうした
しかし、薊というライバル的な存在により不安定になり、兄の抑止力を越えて現れるように。
それによる症状も少しずつ明かされていきました。
・ 命を奪いに来る
・ 消えたい衝動
・ 黒い感情と破壊衝動
兄は禁断の恋から遠ざかろうと
兄を失えない妹はその依存度をどんどん高め、もはやその気持ちを隠そうとせず、遂に告白して仕舞います。
こうして仲良しだった薊との恋のぶつかり合いに翻弄されながらも、真正面から
そしてこの人により、明確に恋が芽生えたことを自覚した
◆第二章―― 【破】愛の真実
ライバルが去り、穏やかな日々が始まると思っていた
それは兄以上に慕う存在、そしてこの世で最も兄に似つかわしい女性、
恋人に命を救われ、逆に大切なその人を救えなかった
一方、最も信頼していた夫に裏切られて絶望の中で死に、誰も信じられぬ子として生まれて来た
幼なじみとして出合った二人は『心が通じてしまう異能持ち』として自覚し、互いの誠意と揺るぎない思い遣りに満ちた行動を示し合う内にやがて恋人として愛を伝え合うように。
生まれながらに傷付いている心優しき幼馴染みの
心が通じるが故に
それは正に双方にとって二重の特異さで心の鍵穴がピッタリ合ってしまった、『運命の人』と呼べるものでした。
半ばそれを知る
本来の
それに苦しみ続けた末に、更に自分の出生の秘密――兄とは血縁関係にない事――を知った
兄妹関係という檻にどうにか閉じ込めていた気持ちが放たれて、自由に愛を叫ぶ事のできる立場となってようやく自分の心が何を求めていたかの本質に気付きます。ある意味でこれは恋ではなかったという事に。
あの約束の日、死を求めてさ迷う自分に対し、命をかけて存在を守りその後も癒しの力で守り続けてくれた兄の願いと約束を何より大切にした
死なずにいる事がこの人への誠意であり、だからこそ生きて、命を預けた。だがそのためにはあの力で守られ続けねばならない。生涯パートナーとして。それ故に誰にも譲れなかったと言う事を理解した。
しかし
それは自分の人生に悔いを残さぬよう、これ迄の感謝とケジメとしての再告白をしてこの世から去るという事でした。
しかし
絶対的存在の
これこそがこの時の
仕切り直した
そしていよいよ最終章です。
この後、更に大きく事態が動きます。
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ぜひそれを見届けてやって下さい。
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