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第17話 一等前後賞合わせて三文の得

名前 NO NAME

職業 フォレストバット

レベル  4

HP    30/ 30

MP   20/ 20

STR   8  DEF  4

INT    4  DEX  9

AGI  12  LUK  6


【固有スキル】

無し

【スキル】

気配察知(極小)



 これも問題なし。


 蝙蝠だけに、「吸血」スキルとかだったらどうしようかと思ったけど…。


 あとは、スキル装備スロットの空きがあるかどうかだけど…。


『職業【フォレストバット】のステータスを装備しますか?YES/NO』


「YES」


『召喚者ソノダ・タイセイは職業【フォレストバット】のステータスをサブ職業スロットに装備しました。

 職業【フォレストバット】を装備したことで、各種ステータスが上昇しました。


 職業【フォレストバット】のスキル、「気配察知(極小)」を獲得しました。

 スキル「気配察知(極小)」をスキル装備スロットへ装備しました。

 称号「マルマールの使徒」の効果により、スキル「気配察知(極小)」は「気配察知(小)」へと進化しました。


 全てのデータ移行が終了しましたので、職業【フォレストバット】のステータスは廃棄されます』



 スロットの空きは大丈夫だったみたいだ。


 レベルアップで増えてるみたいだけど、そもそもの数が分からないのは不親切じゃない?

 上限も分からないから、いつかいっぱいになるかもだし。


 いや、ステータス全体の数値が見れないんだから、そんなのは今更か……。


 ――で、済む話だと思うなよ!!


 この先、すっごいスキルが手に入ったとしても、装備出来ないとかになったら目もあてら…れ……装備?


「ステータスオープン」



名前 園田 大勢 

職業 その他

レベル 3

HP   105/135

MP   75/ 75

力   高3 二学期    我慢      軟弱

頭   非常に弱い    器用さ  ぶきっちょ

動き  見た目ほど悪くない  


おうし座のあなた   第8位

すっきりと朝起きられたあなたはそれなりに良い一日になるでしょう。

思い切って全財産をはたいて宝くじを買ってみましょう。

ラッキーアイテム   木の実ナナ

EXP         102/120


【固有スキル】

覚えることが出来ません

【スキル】

覚えることが出来ません。

【称号】

「マルマールの使徒」

(???)


【装備】

「年季の入った果物ナイフ」

「鍋敷き用の皮の胸当て」

【装備ステータス】

「その他」

【装備スキル】

「対物理防御(小)」(常時)

「命中率(小)」(常時)

「気配察知(小)」(任意)



 早起きは三文どころじゃない得をしそうな一日だな。


 騙されないぞ!!


 あと、木の実ナナは植物じゃないからな。



 スキルが装備出来るってことは、当然外せるんじゃない?


 そう気づいた俺は試してみることにした。


「スキル「気配察知(小)」を外す」


「タイセイさん、一度覚えたスキルは外せませんよ?」


『スキル「気配察知(小)」をステータスインベントリへ移動しますか?YES/NO』


「YES」


『スキル「気配察知(小)」をステータスインベントリへ移動しました』


「出来た…」


 スキルもステータス扱いになるのか…そんな気もするし…違う気もする…。


「外せたんですか!?」


「みたいだね。俺の場合、スキルは覚えたんじゃなくて装備扱いだからだと思う」


 その前提条件がおかしいんだけどな。


「ホントにでたらめな人間ですよね…」


 これは俺のせいじゃないよ?


 神様の悪戯バカのわるふざけみたいなもんだからね。


 まあ、良いスキルが手に入って困ることは無くなったわけだけど。

 それに――


「これで普段からスキルの入れ替えとかが出来るってことだよね?」


「入れ替える必要あるんですか?」


「常時発動と任意発動のスキルがあるから、もしも普段から発動してたら困るようなスキルがあるかもしれないし」


「……確かに。魔物が持っているスキルって、今までは憶測でしか分からなかったですから。どんなのがあるか分からないですよね」


「聴力強化(大)常時とかってあったら、普段はうるさそうだし」


 しかも、魔物ならありそうだし。


「タイセイさんて、意外と考えてるんですねえ」


 タマちゃん、その褒め方は悪口なのよ。


「私もスキル欲しいですけど、同じスキルでも習得条件が人によって違うらしいんですよね」


 それは多分、元々のステータスに個人差があるのと、途中で転職したり、倒す魔物とかもみんな違うからだろうね。


「タマちゃんも俺みたいにスキルの取り外しが出来たら良いのにね」


「タイセイさんだけとかズルいです……」


 拗ねた顔も可愛いな。


『【弓使い《アーチャー》】タマキのスキルを変更しますか?YES/NO』


 なんて?


『【弓使い《アーチャー》】タマキのスキルを変更しますか?YES/NO』


 ……出来るの?


『試しにやってみますか?』


 何でお前が曖昧なんだよ。


『今でしたら可能かもしれませんよ?』


 失敗とかあるのか?


『多分、死にはしませんよ』


 そんな一か八かのギャンブル怖いわ!!


 ……ギャンブル?ん?


「タマちゃん……ちょっとじっとしててね」


「???――はい」


「タマちゃんに、スキル「気配察知(小)」を装備」


「え?タイセイさん――何を!?」


『【弓使い《アーチャー》】タマキに、スキル「気配察知(小)」を装備します。

 【弓使い《アーチャー》】タマキにはスキル装備スロットがありません。

 スキル「気配察知(小)」の装備に失敗しました』


 あかんやん。


『再演算――トラッキングします。

 スキル「気配察知(小)」を【弓使い《アーチャー》】タマキのスキルスロットに装備しますか?YES/NO』


「……YES?」


『スキル「気配察知(小)」を【弓使い《アーチャー》】タマキのスキルスロットに装備します。

 エラーが発生しました。

 プロトコルの更新を行います。

 スキル「気配察知(小)」の装備プロトコルが更新されました』


 日本語でぷりーず。


『あほなお前にも分かりやすく言うたらやな。装備するもんをそれとはちゃうとこに入れよう言うんやから、それまでと同じやったら入らへんやろ?せやから、そのどっちかの条件変えたらなあかんいうこっちゃ。分かったか?あ?』


 とりあえず、いつかあの神様あほをどつきまわしたらなあかんいうことだけは分かったわ。


『プロトコル更新に成功しました。

 【弓使い《アーチャー》】タマキはスキル「気配察知(小)」を習得しました。

 スキル「気配察知(小)」は装備品ではなくなったため、取り外しが出来なくなりました』


「うわっ!わわわわわっ!何かが頭の中に流れ込んできますー!!」


 ……ホントに他人にもスキルを渡せるの?


『パーティーを組んでいる仲間限定です』


 それでも十分すぎるだろ?

 何故これほど有能なのに、ステータス表示だけおかしいんだ?


「タマちゃんに俺がフォレストバットから拾ったスキルを付けてみたんだよ。確認してみて」


「え?い、いや、確認しなくても分かります…。気配察知ですよね?どうやって使うかとかも全部頭の中にあります……」


 ……あれ?俺の時は一度もそんなこと無かったけど?

 いまだに防御力上がってるとかの実感無いし。


『スキルは自分の能力ですが、装備品は実際に使うまではその能力を把握しきれないでしょう?』


 なるほど。。。


「タイセイさん……この能力はヤバいですよ……」


「だよねえ…俺も成功してびっくりしてる…」


「え?……何故タイセイさんがびっくりして……分かってやったんですよね…?」



『思い切って全財産で宝くじを買ってギャンブルをしてみましょう』


 これは、早起きは三文以上の得というお話。


「うん、分かってやったんだよ」


 そして、嘘も方便。

 命を大事に。




第1章 巻き込まれて異世界  ―完―



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