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第76話 何はともあれ安全第一

名前 園田 大勢 

職業 その他

レベル 58

HP    725/725

MP    395/395

力       五輪   我慢 システマ

頭    非常に弱い   器用さ 個展級

動き  パルクール       

伝言   

ワンクリック商事 立花様 14時来社 契約の件で 大森さん宛て

アルデナイデ通り オバアラス様 82さい 10時通帳受け取り 急ぎ銀行へ


EXP    992/5220


【固有スキル】

覚えることが出来ません

【スキル】

覚えることが出来ません。

【称号】

「マルマールの使徒」

(???)

「ダービージョッキー」(戦闘時)

大舞台で全ての能力値を100%上昇する

条件:冒険者ランクと同ランクもしくは1ランク上の敵と対峙した時のみ発動。

「名探偵」(必要時)

観察力、洞察力、思考力の能力を50%上昇させる

【装備】

「鋼のロングソード」

「キマイラ製の胴当て」

「ゾウアザラシの牙製胸当て」

「コモドオオワームの服」

【装備ステータス】

「その他」

【装備スキル】

「対物理防御(中)」(常時)「俊敏性上昇(中)」(常時)

「柔軟性上昇(中)」(常時)「対魔法耐性(小)」(常時)

「対斬撃耐性(小)」(常時)「対炎耐性(小)(常時)

「瞬発力上昇(小)」(常時)「対魔物鑑定(小)」(任意)

「斬攻撃力上昇(小)」(常時)「疲労回復(小)」(常時)

「精神異常耐性(小)」(常時)「対毒耐性(中)」(常時)

「回避率上昇(中)」(常時)「対突耐性(小)」(常時)

「火属性魔法(中)」(任意)「土属性魔法(中)」(任意)


 ちょっと被りのスキルが多かったので、進化出来ないやつは一旦インベントリへ戻す。

 後でタマちゃんのスキルと調整しよう。

 レベルも正直ドン引きするくらい上がってしまった。

 タマちゃんじゃないけど、今だったら壁でも走れそうなくらいの感じがしている。


 いや、走らないよ?


 これで伝説の剣とか手に入れたらドラゴンとかでも倒せるんじゃないか?

 強いっていわれてた勇者たちの初期レベルの倍近くになっている上に、スキルで上乗せされてるんだから、単純なステータスだけならAランクの冒険者を超えていると思う。

 まあ、会ったことがないからAランクの人たちがどれくらいの強さなのか知らんけどね。


 これから先のことを考えたら、偶然モンスターハウスに入ってしまったのもラッキーだったかもしれないな。

 ヤバい場面もあったけど、あれを乗り越えられたお陰で一気にパワーアップ出来たんだし。

 俺はトラブルメーカーのロリ様に感謝しながらステータスを閉じ――


 ああ、そうそう。

 憲兵さんこっちです。こいつが詐欺を働こうとしてるナビです。




「タイセイ様。どうでしたか?使えそうなスキルはありましたでしょうか?」


 人のステータス画面は俺以外には見えないので、何となく調整が終わったらしい気配を察したロリ様が声をかけてきた。


「まあまあですかね。ちょっと被りが多かったですけど……」


 ああ、そうだ。


「ロリ様。ステータスを開いてもらって良いですか?」


 2人にはまだ教えていなかったことが2つ。

 1つは俺が人のステータスを見ることが出来ること。もう1つは人にスキルを装備させることが出来るということ。

 この後タマちゃんのスキルをいじらないといけないから、ここで全部ばらしてロリ様たちにも余っているスキルを着けておいた方が安全だろう。

 少しでも保険をかけておいた方が安心だしね。


「私のステータスですか?良いですけど?」


 ちょっと何言ってるのか分からないという表情をしながら、ロリ様は自分のステータスボードを表示させる。

 そして何も無いロリ様のスキル欄にインベントリから取り出したスキルを装備させる。

 ちょいちょいちょっと。


「え?タイセイ様?何をされて――ふあぁ!!」


 ロリ様に着けたのは「対物理防御(小)」と「回避率上昇(小)」。これは俺もタマちゃんも(中)を装備しているから、今のところ必要ない。

 俺たちはすでに(中)になってるから、下位の(小)を合わせて(中)にすることも出来ないしね。


「あの……タイセイさんが触れた私のスキル欄のところに……見覚えの無いスキルが……突然表示されたのですが……」


「何ですと!?」


 バックスさんはロリ様がのけぞるくらいの大声を出した。

 ちょっとお互いの距離が近かったね。


「秘密にしてたんですけど、俺は人のステータスを見ることが出来て、そこに自分の持っているスキルを足すことが出来るんです」


 面倒なのでざっとした説明になったが、それでも十分に伝わったようだ。


「人のステータスを……見れる?しかもスキルを足せる!?そんなことが……。いや、足せるっていうのはどうやって……」


「それもタイセイ様の【その他】の能力なのでしょうか?」


「多分、そうだと思います。パーティーメンバー限定らしいですけど。ああ、一度つけたスキルは外せませんけど、その上位スキルを覚えた時には上書きされると思います」




 タマちゃんの「気配察知(小)」は別の「気配察知(小)」を装備させてみたら勝手に進化して(中)になった。

 一度渡してしまったスキルでも、その進化に関する権限は俺にあるようだった。

 ここからは想像でしかないが、パーティを外れた人であっても、その上位スキルを獲得した時には上書きされると思う。

 まあ、滅多に新しくスキルを習得する事はないらしいけど。

 それでも誰彼構わずというわけにはいかない。あくまでも信頼の置ける相手にしかこんな事をするつもりはない。


 え?会ったばかりのロリ様たちは信頼が置けるのかって?

 そりゃあ……まあ、これは俺たちの今後の安全の為の賄賂みたいなもんかな?


「これの上位スキルですか……。後からスキルを覚えるというのは(小)であっても稀だと聞きますが……」


「はい。そういうことですので、バックスさんもステータスボードを出してください」


「え!?私もですか!?」


 びくびくしながらステータスボードを開くバックスさん。今回は声には出さない。

 バックスさんには「対物理防御(小)」と「俊敏性上昇(小)」をつけた。


 どちらもロリ様を護るのに必要そうだからね。

 バックスさん、鎧のせいもあって動きがちょっと鈍そうだし。


 そしてタマちゃんのスキルをちょこちょこっといじって、再び俺たちはダンジョンの奥を目指して出発した。


 でも、どうも嫌な感じがずっとしてるんだよね。

 本当にヤバい時にはいつでも退却できるように備えながら進まなきゃだな。





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