「えーっと……昨晩、魔王様がお部屋に来られてお母様が眠られた後ですが……」
(うむ。
そう
そう意を決し、お母様にお伝えしようとしたその時───。
またしても部屋のドアがノックされました。
「あ、あれ? お母様。またお客様のようですね……?」
(まったく間の悪いヤツらだ! 誰が来たか確認し、速やかに要件を済ませて追い返すのじゃ!)
お母様がそう仰ったので私はドアに寄り、どなた様かを尋ねました。
「ネフェル。僕です。ルーシファス・ゼブフ・アスタロッドです」
この方は声でどなたかわかりました。
あの金髪の優しそうな顔立ちをした糸目の青年で、私と額をくっつけ合った方です。