「ネフェルちゃんの領地は私の領地とお隣で、子供の頃からの知り合いなんです」
「お隣といっても私の領地は魔界の辺境でなので、馬車で5日くらい離れておりますが」
「それでも良くお互いに行き来して、お泊り会とかしたよね?」
「はい。辺境育ちの私にとってユキメお姉さんの領地とお屋敷は憧れの都会でした」
「やめてよ、ネフェルちゃん。私の領地も十分、田舎よ。王都まで馬車で一ヵ月もかかるんだもん」
なるほどな。と頷きつつ、スレキアイは二人が再会の興奮ではしゃぐのをじっと見守り、落ち着くのを待った。
ネフェルとユキメがお互いにひとしきり近況を報告し合って落ち着くと、ふとユキメは疑問に思った事をネフェルとスレキアイに質問した。
「ところでどうしてスレキアイ部長とネフェルちゃんが
そういえば……といった様子でユキメは慎重に二人の返答を待った。
「まて、ユキメ。お前が想像しているような、そういったことはないぞ」
「そ、そうです、ユキメお姉さん。スレキアイ様は私を救って保健室に運び込み、怪我の治療をしてくださっていたのです」
そう説明されたがユキメはまだまだ聞きたいことがいっぱいといった様子だった。
「ネフェルちゃんを救う? 誰から? 怪我ってどこをどうしたの? なんでスレキアイ部長が?」
ネフェルとスレキアイは代わる代わるユキメに事の顛末を説明した。