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第13話

第二部☆クラウド

第五章☆理由


ギルドの関係者以外立ち入り禁止の区画に孵卵器があった。

巨大な卵が五つ!

「姫さん、頑張ったんだなぁ」

クラウドは透明なガラス越しに卵の様子を見ていた。

「あの青竜」

サーシャが言った。

「うん?アレハンドラのことかい?」

「きっと卵のお父さんよ」

「ええええ」

思わず声をあげるクラウド。

「いやしかし、でも」

ごにょごにょ言って混乱している。

「そういうあなたは、彼女はいるの?」

「それとこれとは関係ないだろ」

「あると思うけどなー」

サーシャがいたずらっぽく言った。

「……まあ、いいなと思ってた人はいたよ。きれいで気高くて」

「その人はどうしてるの?」

「他の人と結婚して幸せに暮らしてる」

「告白はしなかったの?」

「捨てたんだ」

「何を?」

「彼女は貴重な食糧を捨てた。そういう人とは一緒になりたくなかった」

「ふうん」

サーシャは胸のペンダントを光に透かして眺めた。

「それは、形見なんだ。大事に持っててやってくれないか?」

「もちろん」

毎日卵の様子を見ているうちに、クラウドとサーシャはだんだん仲が良くなっていった。

「ドラゴンの子どもが巣立ったら、僕の騎士団に一緒に来ないか?」

「そうね、行ってもいいかな」

そして、彼らは団員とドラゴンたちに祝福されて結婚した。

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