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第81話  地獄の死闘 総力戦







 今度は負けない!


『バッシュ――――――――ンッ』 と瞬く間に敵・第一波攻撃到来。


 その守護魔導師群を先導する者の放つ剣撃一閃だけで巨大衝撃弾を放って来た。


 慌てて水・火・烈風の巨大攻撃で迎撃する四天星。

 そして魔法バリアを幾重にも張ってサイ維持部隊達を守る四天星・土の魔術・巨岩障壁。


 双方の莫大な魔力が激突、漲る緊張。だが直ぐに敵の第二波・数百弾が目の前まで迫る。即座に防御する四天星。間に合わず突破された数十波をレイメイの核シールドがガード。核の爆風を封鎖する程のシールドはビクともせずに受け止める。


 だが後ろから遅れて来た第三波は誘導弾、シールドを避けるように回り込んでジャミング装置制御部隊へ迫る。


 そこへ万倍速のルナと千倍速のルカが数十もあるそれぞれの魔威弾へ出現、ヌンチャクバリアーで破砕するルナ、念力の腕、ファントムアームズでいなして軌道を逸らすルカ。


 全員で力を合わせて全てを凌ぎきる。とそこへ地上で無双しまくったルナの得意スキル発動。


「こっちだって! 〈ホイールカッター!〉」


 早速ルナも反撃。前線ではその一投だけで多数を打倒したそれは、流星の如く一瞬で長距離を駆け抜ける超絶回転猛威。


 軌道上の十体以上の敵を倒すつもりで放たれたが、地上の群敵を圧倒した威力も高ランク守護魔人らの〈瞬間没出〉でアッサリかわされ追投。


「なっ!……」


 身に付けた10個ものヌンチャク全てが空を切る。


『一体ずつやるしか無いか』


 ルカの懐にしまわれたポシェットからノエルが予備ヌンチャクを差し出すと、それをルカから渡され、すかさず両脇から撃ち放つ超絶狙撃スキル。


〈ハイパーレールガン〉大連射!


 今やそのスピードは既にマッハ数十万の亜光速。それを矢継ぎ早の超連発にして猛攻撃。その一秒に20万発撃ち込む。


 だがそれさえも門番衆は見事に没出して躱す。


『くっ、ボクの超連発レールガンが一発も?!……コ、コイツら、強い!……』


 その回避術にルナの傍らで目の当たりにしていたエマも驚く。


 ……ルナのレールガンは急成長した徳倍率と魔力加速も得て、今や亜光速のアタシの雷撃と大して変わらん速さだ! それを避けるなんて……

 アタシみたいな電気や光の特性を持たず、サイキック予知もしないこいつらがナゼ避けれる?!……


 エマの魔眼がギラリ。


 そうかなるほど! 身の周り超広範囲に魔術のソナーを発してあの瞬撃がそれに触れたと同時に亜空間に回避……

 体に触れた瞬間に回避するアタシの〈エレミラージュ〉よりも察知が断然早いんだ……

 これじゃ狙撃系では無理……



――――コイツら想像以上に手強い!……



 ふと気が付くと宙を埋め尽くす黒い虫。


 10億匹超の人喰い蟲群〈カニバリバグ〉に囲まれて、既に体中 たかられている。嘗てのパーティー仲間が殺られた記憶。水の四天星が、


「ヤバイヤツだ! ものの一分で喰い尽くされる! 痛ッ!」


 火の四天星が『廻りは全部任せろ』と〈巨大火壁魔法ファイヤーウォール〉で薙ぎ払い、それと同時に皮膚に噛み付いたヤツは『俺がやる!』と土の四天星が土魔法〈サンドブラスト〉でジェット砂粒を仲間達に吹付けて虫を粉塵化。


 だが休む間もなく数千もの魔剣のどしゃ降りが全員を襲い、魔法バリアも貫き皮膚あちこちを切り裂かれる。



 咄嗟に巨大な〈土魔法岩壁ロッククリフ〉で全員を分厚くガードする土の四天星。


「皆、大丈夫か?!」


 しかしそのバリアを回り込んで意思を持って執拗に襲い来る高速大怪炎が。


 焔獣術・紅蓮竜が発動される。


「あぶない、除けろ! ぐあっっ」


 反撃どころか守りだけで精一杯。



 数百体の炎竜群に全員取り囲まれ絶対絶命……



 焔獣術による炎の巨竜群に囲い尽くされる仲間たち。とそこへBROSメイが、


「知ってるか? 炎ってのはなァ、爆発で消せるんだって事を! 」


火炎熱分解フレイムスキャッター!〉


 BROSメイによる100連続爆裂魔術が放たれると、それはまるでスターマイン花火の如く一気に大炸裂!

 仲間を襲い捲くる焔獣術の炎群さえも瞬時に爆裂霧散。

「グッジョブ、メイ! でもまだまだ来るぞ、気を抜くな! うっヤバっ、毒攻撃だ!」



 毒霧〈ポイズンミスト〉がいつの間にか逃げ場がない程広域に立ち込めせ苦しみ出すが、風の四天星が叫ぶ。


『俺が飛ばす!』

 と風魔法・超竜巻〈トルネード〉で霧散させる。


 だが何故か更に苦しみ出す仲間達。敵の窒息空気〈チョークエア〉で酸素の無い空気に変えられていた。


 息も整わぬ間のコンビネーションダメージで全員意識が朦朧となる。


 そこへ水の四天星が水魔法〈水中花〉!


 第二層の底面にけ残った大量の海水から酸素を含んだ清水の抽出転送で全員を囲って水の中から酸素を供給させつつ、肺から毒を流し出させて皆を助ける。


《この酸素で2~3分はもつ》


 とテレパスで伝え、そうしながら敵には


深海封アビスシールじ〉で大量水没攻撃。

 僅かでも回復時間を稼ぐ。



 即座に円陣を組んだ魔人達は超高速円運動を開始、シツコクまとわされた水を余裕で円心分離させる。


 しかもダメージに憔悴しきるルナ達へ、トドメの必殺攻撃。


 夢魔法〈不可避の狂夢〉

 ―――が既に送り込まれていたのだ。



 同士討ちの幻夢…………

 目付きが変わり始める仲間達。



 あわやの所で精神攻防を得意とするルカがそれに気付く。

 即座に〈サイキック合気〉で迎え撃つ。


 ―――私だって今やサイキックは相当!

 気配察知と精神攻防こそ大得意だ!


 そう、合気こそ相手の気力を捉える武と精神の極致技。脳内イメージ化で合気術に置き換える私ならではの手法!

 ……神童と言われた私が、精神技でその辺の魔法なんかに負けるはず無いっ!――



 〈狂夢〉の発信元を即座に特定し相手の脳内で念の闘いとなる。

 ルカは送り込まれる殺し合いの念を実体の攻撃イメ―ジに置き換え、敢えて自分の脳内に呼び込み捲き込んで逆利用。


 ズシャアッッッッ――――! 『ナンダトォ!』


 手練の敵術師の必殺技の筈が逆に自殺に追い込まれる。 気づくとその鎌状の武器で自らの首を跳ねる始末。

 こうまで逆手に取られたのは初めてらしく、激しく驚く敵の守護魔導士達。


 『ぐぬぬ……』



《ルカ! サンキュー!》


 ……敵のこんなにも多様な攻撃をなんとか味方達が凌いでくれてる。

 スゴイ……やっぱ敵も味方もトップクラスは伊達じゃない……


 でもボクは分かってしまった……どうして異世界でみんな魔法やら超常能力を獲得したがるか……

 フィジカルなんてただ暴れ回ってただけ、悔しいけどこのランク相手じゃ誰も守れない……









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