総 裁「最終話直前特番、後半行くぞよ。しかしこの推理小説『マジックパッシュ』さらにホント問題だらけであるのだ」
ツバメ「そんなこといまさら言っても」
総 裁「初っ端の『目撃者はイージス艦』(1話~8話)から自爆ドローンだのイージス艦だのが出てくるからのう」
ツバメ「著者さん元々戦記作家でしたものね」
総 裁「そんなことだからかつてだした商業推理小説にもレビューで『納得がいかない』と書かれてしまうのだ」
ツバメ「そんなこといま気にしてどうするんですか」
総 裁「その次の『狙撃者は陸上自衛隊』(9話~16話)では現職の大臣だけでなくなんと対人巡航ミサイルがでてしまう!」
ツバメ「うわあ、ネタバレはだめです! それもよりによって私達がやるなんて!」
総 裁「いくら尊敬する士郎正宗さん『攻殻機動隊』で話として出たとはいえ実際に登場させてどうするのだ」
ツバメ「そうですよね……いろいろと非常識でヒドいっ」
総 裁「その次、『殺人者は鉄道会社』(17話~22話)もいろいろと問題ありだぞ。それにこの話、テツでない人に理解可能なのかよくわからぬ!」
ツバメ「そうですよね……」
総 裁「その次、『証言者は自衛隊統合指揮システム』(23話~31話)も問題ありだ。自衛隊側の藤原1佐の登場はまだいい。でもなんだあのミッション・インポッシブルは」
ツバメ「まあそこまでではないと思うんですが……ヒドイかも」
総 裁「『被害者は日本国民』(32話~39話)ではなんと総理が登場する。大失言の話であるのだが、はたしてこれはミステリとして良いのか」
ツバメ「何かというとこんなのSFじゃない!っていうSF世界の方々より推理の人たちが心が広いことを願うだけですね……でも礫投げられても仕方ないかも。ヒドイ」
総 裁「『誘拐犯は航空自衛隊次期戦闘機』(40話~47話)ももはやこれでは推理というよりスカイアクション小説ではないのか」
ツバメ「それはそれでいいと思うけど……推理でこんなことしていいのかなあ」
総 裁「『暴行犯は高度警備ロボット』(48話~55話)なんか、ちゃんと大学行った方からの批判もあり得るであろう。我が著者は大学にモグリでいったことしかない。受験失敗したままだからの」
ツバメ「ほんと、著者さんしっかりしてください……ヒドイっ」
総 裁「『模倣犯は情報収集衛星』(56話~63話))は過去を美化し過ぎという批判もありえるぞ」
ツバメ「でもあの時代にも真摯に向き合ってた人はいると思いますよ。ただそういう人は歴史には埋もれてしまう。悲しいけれど」
総 裁「歴史とは残酷であるのだ。我々も結局はそうやって埋もれるしかない」
ツバメ「またメタくするー。ヒドイっ」
総 裁「『容疑者は防空識別圏』(64話~71話)はタイトル自身がもう日本語としてどうかと思うぞ」
ツバメ「でも実際そういう話ですから。想像を超えてしまってるだろうけど」
総 裁「『警察官は鉄道マニア』(73話~80話)ではトラベルミステリを志向したが、どうもこれもうまくいってるとは言い難い」
ツバメ「今はトラベルミステリやるには難しい鉄道の状況ですけどね……練り込み不足だったかも」
総 裁「『逮捕者は国家元首』(81話~88話)も色々とアレだぞ。なにしろこの話が今から20年近く前の著者の商業推理小説のその後の話であることがわかってしまう!」
ツバメ「著者さんの黒歴史なのかと思ってましたけど、あれもあれで変な話でしたよね」
総 裁「著者の推理苦手の意味がこの話でよくわかっていただけたと思う!」
ツバメ「ホントそうですよね……読者さんほんとここまですみません」
総 裁「そんな自覚あるのになんとカクヨムコンにこれを投入してしまうのだ。まさに……無謀……ッ!」
ツバメ「ざわざわ……ざわざわ……って『カイジ』ネタもだめです」
総 裁「それも応募に費用無用で簡単にできるからという理由で。なんと志が低いことだ。他の参加者に申し訳ないのだ」
ツバメ「でもうちの著者さん、異世界物とか今のはやりのものだいたい無理ですからね」
総 裁「まさに著者生命が尽きたということなのだ。賞味期限切れ、破棄相当であるのだ」
ツバメ「もうそういう歳ですもんね。ゲームで『グラツー』というと『グランツーリスモ』ではなく『グラディウスⅡ』を思ってしまう時代遅れですからね。ヒドイっ」
総 裁「これでまともに話が通じるほうが奇跡なのだ。それでも読んでくださった方がこうしていらっしゃるというのは、まさに望外の幸甚の極み」
ツバメ「そうですよね……20万字もここまで読んでくれてるのはほんと、ありがたいです」
総 裁「そしてこの話の中で進んでいる台湾危機。大砲に装填されてしまった弾を抜かせることはできるのか、ということだが……それ、推理でやることなのか」
ツバメ「そういえば途中で他の推理の先輩がたに喧嘩売るみたいな話、鷺沢さんしてましたよね」
総 裁「そういうのはまともな推理が書けてからの話なのだ。この歳でそんな生意気を言うのはどうかしている」
ツバメ「そうですよね。まさに無謀」
総 裁「とはいえ持った問題意識に偽りはない。世を、本邦を憂い、その未来に光があって欲しいという気持ちは間違いない。途中の無理があってもそれをやりたかったのだ。まさに『勇気』の話なのだ」
ツバメ「無理がありすぎるけど、勇気って」
総 裁「それは作中の四十八願の叫びに集約されておる」
ツバメ「四十八願さん、ものすごい知識持ってるけど未成年なんですよね。可愛いところもあるけどすごく鋭い」
総 裁「鷺沢が彼女に向けて思っている気持ちもまた偽りはなかろう。彼女への尊敬とその未来が明るくあってほしいという気持ち。それは踏みつけにされすり潰されてもう希望のない氷河期世代の最後の望みでもある」
ツバメ「切ないですよね」
総 裁「だが、その鷺沢を最終話、とんでもない事件が容赦なく襲う」
ツバメ「ええっ、どういうことですか!?」
総 裁「それは最終話をお読みになっていただきたい。まさに前代未聞であるのだ」
ツバメ「本当ですか」
総 裁「さふなり。なかなか著者も自分の身を削った話になるようだ」
ツバメ「また無茶するんですか」
総 裁「ここで無茶せずいつやるんだという気持ちらしい。どういう話になるのか。もはや楽しみというより、どうするんだこれ、の不安もあるのだが、ともあれ最終話、著者渾身のものになると思う。早速著者は知恵熱も出始めておるようだが、それだけのものになるので、ぜひご覧いただきたく」
ツバメ「最終話、私からもよろしくおねがいします!」