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第127話 ピャウリー(ヤマメ)のちゃんちゃん焼き③

 アエラキのかたわらでは、真似してキラプシアが、釣り糸と餌の付いた割り箸を振っているのが愛らしい。その釣り方は割り箸釣り竿には向いていないから、まったく釣れていないのだが、本人が楽しそうなのでまあいいか、と思って放っておいている。キラプシア的には釣れることより真似が楽しいようだ。


 それにしても、魚を釣るオムツウサギ……なかなかにファンタジーな光景だな。

 カイアがうっかり川に根っこを出していたら、隠れ場所だと思われて、ピャウリーが集まって来てしまったのには笑ってしまった。

 まあ、木の体だからなあ。魚も警戒しないよなあ。まさか隠れ場所に意思があって動けるだなんて、よもや思うまい。


 最初は怖がって泣いてしまい、俺を振り返ったのだが、そのまま根っこの間に釣り糸をたらしてごらん、と言ったら、ピャウリーが釣れて楽しくなったようだった。

 円璃花もテンカラ釣り、俺とカイアとアエラキは餌を付けたミャク釣りだ。カイアも割り箸に餌と釣り糸を付けた物を使っている。


「よし、こんなもんだろう。そろそろ朝ご飯にしようか。ご飯も炊けた頃だしな。」

「そうね!お腹すいちゃったわ!」

「ピョルル!」

「ピューイ!」

「チチィ!」

 みんなも同意してくれる。


 パーゴラの下に移動して、ホットプレートを運び込み、モヤシ、キャベツ、玉ねぎ、ニンジン、味噌、料理酒、砂糖、みりん、ニンニク、サラダ油を出し、野菜を円璃花と子どもたちに切っておいて貰うことにする。カイアもピーラーでニンジンをむいてくれ、アエラキは風魔法でバババッとキャベツを切断している。円璃花が玉ねぎの皮をむいていた。

 ちなみに野菜はなんだっていい。


 その間に、俺はキッキンに戻って、ヤマメの下処理を始めた。

 ヤマメがまだ元気なので、料理バサミで頭を叩いて軽く気絶して貰ってから、お尻の穴から料理バサミを入れてお腹を切り開き、指でしごきながら内蔵を取り出して流水で全体を洗い流す。これだけだ。骨を取らないからさばくって程じゃない。別に腹開きじゃなく3枚おろしでもいいけど、面倒だしな。


「ホットプレート、あったまったか?」

 裏庭に戻って円璃花に尋ねる。

「いい感じよ。」

「よし、始めるか。」

 サラダ油をいたホットプレートの上で、ヤマメの身側から焼いていき、焼けたらひっくり返して、ヤマメの周りに野菜を入れて蓋をしたら、野菜がしんなりするまで蒸焼きにしてやる。魚も野菜の量もお好みで適当だ。


 ボウルに、ニンニクをすりおろした物を2欠片分、味噌大さじ4、料理酒大さじ2、砂糖小さじ2、みりん大さじ2の割合で混ぜたら、味噌ダレの出来上がりだ。こいつをまんべんなくかけて混ぜたら、ヤマメのちゃんちゃん焼きの出来上がりだ。お好みで最後にバターを乗せても美味い。

 シンプルで美味いキャンプ料理だな。


 ちゃんちゃん焼きは鮭で作るもののイメージがあるけど、和食も洋食もなんでも合うのがヤマメなので、せっかくなら外でも食べられる料理にしてみた。まあ、ヤマメは元々サケ科の魚ではあるからな。

 ヤマメは塩焼きが1番オススメとされる料理方だが、どうしても川魚独特の匂いが気になる場合にも、味噌を使うのが良いと思う。


 ちなみにサケ科やマス科は本来白身の魚だから、ヤマメもピャウリーも白身の魚なんだが、甲殻類を餌として食べると鮭のように身が赤くなるという特徴を持っている。ヤマメに海老だけを与えて育てて、みごとなピンク色のヤマメの刺身をいただけるお店まであるとのこと。1度食べ比べてみたいよな。


 ヤマメの陸海型であるサクラマスも、海で甲殻類を多く捕食することで身がピンク色になり、卵までもが赤色になることから、鮭と勘違いされることも多いが、実はまったく別の魚だ。ヤマメとサクラマスは元々同じ種類だから、ヤマメでも30センチを超える個体になると、捕食したヨコエビや川虫などの影響でピンク色になると考えられている。


「うっわああ~……!美味しそう!

 いい匂いね!アエラキちゃん、いっぱい釣ってくれてありがとう!あ、これはカイアちゃんの釣ってくれたやつね!」

「ピューイ!」

「ピョルル!」

 2人とも嬉しそうだ。釣りも楽しかったみたいだな。みんなで釣った魚とご飯と味噌汁で楽しく朝ご飯を食べたのだった。


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