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第131話 初恋の想い出と2人だけのディナー⑪

 これは現代でいう、ワニ肉の応用だな。ワニ肉は手首から先のウロコの部分を残して焼くと、肉が収縮して、なんと立つのだ。

 アビスドラゴンの前足の肉を、酒2、みりん2、醤油1という割合で2日間漬け込んでおいたものを取り出す。鶏肉や魚にも使える割合だし、簡単なので試してみて欲しい。

 オーブンは200度に余熱しておく。


 小皿にオリーブオイルを垂らし、キッチンペーパータオルで吸い取ってから、オリーブオイルを前足の肉の部分に塗ったら、オーブンに入れ10~15分(大きさによって変えてやる)焼く。カレーは市販のルウを普通に使った。カレーをかけた上に生きている時のように立たせてやったら、起立するドラゴンの前脚のタレ漬け焼きカレーライス完成だ。


「これは……どうやっていただくものなのでしょう?」

 メイベル王太后がアビスドラゴンの前脚を見て、可愛らしく首を傾げている。

「そのままかぶりついてもいいですし、柔らかいのでナイフを入れればスッと切れますよ。」

 俺の言葉にナイフを入れ、アビスドラゴンの前脚を食べてカレーを食べる。


「……初めていただくわ!

 とても美味しゅうございます。」

「アビスドラゴンの子どもの前脚を使いました。驚いていただけて良かったです。」

「アビスドラゴン!?あの、人を襲う凶暴な魔物がこんなに美味しいのですか?」

「繁殖期前の子どもを使いましたので、それもあるかも知れませんね。」


 2人とも大満足のようだ。

「最後はデザートになります。

 マンドラゴラとバナナとイチジクとクルミのタルトです。ウイスキーとともにお召し上がりください。」

「デザートに合うお酒ですか……。」

「わたくし、少々飲みすぎてしまったかしら……。どれもこれも美味しいわ……。」


 マンドラゴラは料理方法次第で味も食感も変わる不思議な魔物だ。ちなみにタンのような食感と味で食べることも出来る。植物の魔物なのに、肉の味と食感になるだなんて、変わっているよな。今回は植物そのままの感じを活かすことにした。そうすると、ごぼうみたいな味と食感になるからな。


 ボウルに室温で溶かした無塩バター50グラムを入れて、ゴムべらでバターがトロッとなめらかになるまで混ぜ、粉砂糖25グラムを加えて混ぜ、更にアーモンドパウダー15グラムを加えてよく混ぜる。

 薄力粉70グラムをふるいにかけながら加えて、ゴムベラで切るように混ぜる。

 半分ずつにまとめて平らに伸ばして、ラップで包み冷蔵庫で1時間寝かせておく。


 ボウルに室温で溶かしておいた無塩バター50グラムを入れて、泡立て器でなめらかになるまで混ぜ、グラニュー糖40グラムを加えてすり混ぜる。卵1個を加え、その都度ダマがなくなるまで均一に混ぜ合わせたら、アーモンドパウダー60グラムを加えて更にムラがなくなるまで混ぜたら、ラップに包んで冷蔵庫で30分ほど寝かせておく。


 これでタルト生地とクリームが出来た。冷蔵庫からタルト生地を取り出して、160グラムを計ってから常温に戻す。ラップで再び包んだら、上から麺棒で軽く全体をつぶす。こうすると生地が割れにくくなる。

 ラップを外し、オーブン用の紙ではさむ。


 麺棒を生地の中央から上方向に向かって転がし、生地を回しながら、直径24センチ、約3ミリ程度の厚さの円形にのばす。麺棒は必ず中央から上方向に向かって動かし、生地だけを少しずつ回転させてやると、厚さを均等にしやすくなる。型より一回り大きい円形にするのがコツだ。


 オーブン用の紙を外して型に生地を乗せ、型の底面と側面に貼りつける。全体が均一になるように指の腹で軽く押さえながら、型と生地の間に隙間ができないようにする。型からはみ出した生地は、縁に沿ってナイフの背で切り取る。


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