戦場は緊張感に包まれていた。ガロッシュの闇がエミの光とぶつかり合い、壮絶な激闘が繰り広げられていた。黒い炎に包まれたガロッシュの巨大な斧は、その巨体からは想像もつかないほどの速さと力を伴い、振り下ろされるたびに大地が震え、瓦礫が舞い上がった。

エミは優雅に回避していたが、ガロッシュの攻撃の激しさは増す一方だった。

「いつまで遊んでいるつもりだ、小物の"主人公"め！」

ガロッシュは水平斬りを放ちながら吠えた。エミは間一髪でその攻撃を後方に跳んでかわす。

「お前が本気を出さないのなら、この戦いには意味がない。さあ、見せてみろ、お前の全力を！」

荒い息をつきながらも、エミの瞳には揺るぎない決意が宿っていた。

「そんなこと、どうだっていいじゃない」

彼女の拳は黄金の輝きを放ちながら力を蓄えていた。

ガロッシュは斧を地面に叩きつけ、闇のエネルギーが爆発する。その波動がエミに迫るが、彼女は咄嗟に横に転がってそれを避けた。

「本気を見せない相手を倒しても、それに価値はない。光の仮面を脱ぎ捨てろ、全力で戦うんだ！」

エミは歯を食いしばりながら、彼の言葉を噛みしめた。確かに、彼女は自らの魔力を抑えていた。この戦いで余計な破壊を避けようとしていたのだ。しかし、ガロッシュが求めるのは真剣勝負であり、それに応えない限り、この戦いは終わらない。

「わかったわ…」

ついに決心したエミの声には力が込められていた。彼女が目を閉じた瞬間、周囲の光が一気に強まり始めた。

ガロッシュは興奮した表情でその光景を見つめた。エミが両腕を掲げると、黄金のエネルギーがさらに強烈な輝きを放ち、彼女を包み込んだ。その光は彼女の手の中で形を変え、灼熱の熱を放つ純粋なエネルギーでできた双剣となった。

「準備はいいかしら、ガロッシュ」

エミが一歩前に進みながら剣を向けると、ガロッシュは満面の笑みで応えた。

「それでこそ戦い甲斐があるってもんだ！」

ガロッシュが斧を高く掲げ突進すると、エミの双剣がその軌道を阻んだ。光と闇が交錯する壮絶な閃光が戦場を包み込み、響き渡る衝撃音が大地を揺るがした。

ガロッシュが力任せに斧を振り下ろすと、エミは双剣で受け止め、その力を横に流すと同時に旋回して横薙ぎの一撃を放つ。その剣先がガロッシュの脇腹をかすめ、鎧に焼け焦げた痕を残した。

「それでどう、楽しめてる？」

エミが挑発するように微笑むと、ガロッシュは痛みを意にも介さず、咆哮とともにさらなる猛攻を仕掛けた。

エミは跳躍して攻撃をかわし、空中で剣を交差させエネルギーを集中させた。

「天光の裁き！」

叫びとともに光の爆発が解き放たれ、その衝撃がガロッシュを直撃し、彼を後方へ吹き飛ばした。地面には大きなクレーターが残る。

ガロッシュは膝をつき、荒い息をつきながらも笑みを浮かべた。

「いいぞ…そうこなくちゃな…」

光をまとったまま着地したエミは、息を整えながら言った。

「言ったでしょ。私が本気を出したら、容赦なんてしないって。」

ガロッシュはゆっくりと立ち上がり、再び彼の体から闇のエネルギーが噴き出した。その力はさらに増幅し、彼の斧はより巨大で異形な姿に変わっていった。黒炎が荒々しく渦巻き、戦場の空気を重く染めた。

「これで終わりじゃない！本番はこれからだ！」

咆哮とともにガロッシュはエミに向かって突進した。以前とは比べものにならない速度と力で迫りくる彼に、エミは剣を

握りしめ応じる準備を整えた。

戦いは、いよいよ本当のクライマックスを迎えようとしていた。