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第30章: チームワーク



激しいダンス対決の後、グループは引き続きゲームセンターを探索していた。ひかりはまだまだ元気いっぱいで、もっと遊びたがっていた。


「次のゲーム!」ひかりは興奮した様子で周囲を見渡しながら叫んだ。


奏と理香はまだ少し競争心を燃やしていたが、新しいことを試すのを楽しんでいるようだった。そんな時、ひかりの目に協力プレイのシューティングゲームの機械が映った。二丁の光線銃を使うクラシックなゲームだった。


「これ!」ひかりは機械を指さした。「二人一組のシューティングゲームだよ!チーム戦にしよう!」


悠はため息をついた。


「どうせまた賭けがあるんだろ?」


ひかりはウインクをした。


「もちろん。勝ったチームは負けたチームに何か命令できる!」


理香と奏は腕を組み、お互いを見つめた。


「チーム?」奏が尋ねた。


「そう!悠と私はチーム、奏と理香がもう一つのチームね!」ひかりはいたずらっぽく微笑んだ。


理香は舌打ちをした。


「それは不公平じゃない?あんた、このゲームのこと知ってるでしょ?」


「その通り!だからこそ面白いんじゃない?」ひかりは明るく答えた。「もしかして、負けるのが怖い?」


「ちっ…そんなわけないでしょ」理香は機械の銃を手に取った。


奏はため息をつきながら、もう片方の銃を手に取った。


「まぁ、試すだけなら悪くないかも…」


ひかりは満足げに微笑み、悠にもう一つの銃を渡した。


「行くよ、悠!私たちの腕前を見せてやろう!」


ゲームが始まり、オープニングムービーが流れた。プレイヤーたちはエリートエージェントとなり、カオスな戦場で敵の群れと戦うストーリーだった。そして、アクションがスタートすると、各チームは画面の敵を撃つことに集中した。



---


第1ステージ: 混乱の幕開け


ひかりは正確に撃ち、素早く敵を倒していった。興奮して小さく飛び跳ねながら叫んだ。


「悠!援護して!」


「頑張ってるけど…」悠は、迫ってくる敵に必死に銃を向けた。


一方、奏と理香はまだ操作に慣れていなかった。奏はゲームのロジックを理解しようとしたが、銃の扱いに慣れていないせいで狙いが不安定だった。


「剣を使うのとは全然違うな…」奏は小声で呟きながら撃った。


理香はすでに苛立っていた。


「こんなの意味ない!接近戦の方がずっといい!」



---


第2ステージ: 熾烈な戦い


ゲームが進むにつれ、奏と理香も適応し始めた。奏は落ち着いて狙いを定めてから撃つ慎重なスタイルを身につけ、一方の理香はとにかく撃ちまくる攻撃的なスタイルを選んだ。


ひかりはそれに気づいて微笑んだ。


「おっ、少しは上手くなってきたじゃん。でも…これに耐えられるかな?」


ひかりはスペシャルショットを発動し、一気に敵の集団を倒した。そして、悠の方を向いてニッと笑った。


「ハイタッチしよ、相棒!」


悠は必死に追いつこうとしながらも、疲れた様子でひかりの手にハイタッチを返した。


奏はそのシーンを見て、なぜか少し悔しい気持ちになった。


「負けるわけにはいかない…」


理香も同意するように頷いた。


「だな…!」



---


最終ステージ: 決戦


最終ボスが現れた。巨大なメカで、画面上に無数の弾幕を放ってきた。


「ここで勝負が決まるね!」ひかりが叫んだ。


両チームとも全力で撃ちまくった。奏と理香は、無意識のうちに完璧な連携を取るようになり、ひかりと悠も必死にリードを守ろうとした。


そして、最後の一撃が決まると同時に、画面に結果が表示された——


勝者: 奏 & 理香!


ひかりは目を見開いた。


「えっ!?!?」


奏は瞬きをして、戸惑ったように呟いた。


「私たち…勝った?」


理香は得意げに笑い、ひかりを見つめた。


「つまり…あんたたちは借りを作ったってことね?」


悠はため息をついた。


「まさか…危ないことじゃないよな?」


奏は理香の方を見た。数秒後、理香はニヤリと笑った。


「まだ決めてないけど、近いうちにお願いするから。気を抜くなよ、悠。」


ひかりは頬を膨らませ、腕を組んだ。


「くぅ…このままじゃ終われない!」


こうしてシューティングゲーム対決は奏と理香の勝利で幕を閉じた。しかし、悠はこの勝利がさらなるトラブルの始まりであることを悟っていた…。



---


新たな対決: 格闘ゲームへ


シューティングゲームでの敗北に納得がいかないひかりは、悔しさを滲ませながら言った。


「このままじゃ終われない!もう一回勝負だ!」


奏はため息をついた。


「また?」


ひかりは元気よく頷き、周囲を探し始めた。そして、目を輝かせながら指をさした。


「見つけた!格闘ゲームだ!」


そこには、派手なグラフィックと様々な武術や特殊能力を持つキャラクターが描かれた格闘ゲームのアーケード機があった。


「今度は1対1の対決だよ!」ひかりは興奮しながら説明した。「今回はチーム戦なし!完全に個人戦!」


@@@


Yuuはため息をついた。


「これ、だんだん危なくなってきてる気がする…」


Rikaは画面を見て、自信満々に微笑んだ。


「こういうゲームのほうが面白そうね」


Kanadeが興味深そうに近づく。


「本物の戦いみたいなもの?」


「まあ…そんな感じだけど、大げさな演出が多いよ」Hikariはコインを入れながら説明した。「よし! 一人ずつ順番にやって、誰が最強のファイターか決めよう!」


第1ラウンド:Kanade vs. Hikari


Kanadeはコントローラーを握り、真剣な表情でボタンを見つめた。


「戦いなら、本気でやるしかないわね」


彼女が選んだのは、自分に似た戦闘スタイルを持つ素早い剣士キャラ。


一方のHikariは、派手なデザインと華麗な技を持つキャラを選んだ。


試合開始。Kanadeは慎重に動こうとしたが、すぐに違和感を覚えた。


「何これ? 思うように避けられない…!」


Hikariはすでにゲームの勝手が分かっていたため、素早く攻撃を仕掛け、一気にKanadeを追い詰めた。


「Kanadeちゃん、気をつけて!」


「ずるい!」


反撃する間もなく、KanadeのキャラはKOされてしまった。


彼女は驚いた表情で画面を見つめた。


「…こんなに早く負けるとは思わなかった」


Hikariは満足そうに笑う。


「やった! 私の勝ち!」


第2ラウンド:Yuu vs. Hikari


「えっ? 俺も?」Yuuが戸惑う。


「もちろん! 逃げられないよ〜」Hikariはいたずらっぽく微笑んだ。「まさか負けるのが怖いの?」


Yuuはため息をつき、仕方なくコントローラーを握った。


Kanadeとは違い、Yuuは格闘ゲームの経験があったため、戦いは互角だった。お互いに技を繰り出し、激しい攻防戦を繰り広げる。


しかし最終的に…


Yuuの勝利!


「うそ!? そんなのありえない!」Hikariは叫んだ。


「いや、そんなに難しくなかったけど?」Yuuは落ち着いた様子で答えた。


「絶対何かズルしたでしょ!」


最終ラウンド:Rika vs. Yuu


「さて、次は私ね」Rikaがコントローラーを握る。


Yuuは画面を見つめながら聞いた。


「Rikaってこういうゲームやったことあるの?」


「ないわ。でも、すぐに慣れると思う」


試合開始。


驚くことに、Rikaは圧倒的な精度でキャラを動かしていた。彼女の選んだキャラは、素早く攻撃できるアグレッシブなスタイル。まるで本当に戦っているかのように、攻撃を避け、完璧なカウンターを決めていく。


「ちょ、これズルでしょ!?」Hikariが叫ぶ。


「本物の戦闘みたいだな…」Kanadeは驚いた様子で呟く。


Rikaは無言で集中し、相手を容赦なく追い詰めた。Yuuは反撃しようとしたが、完全に封じ込められてしまう。


Rika、パーフェクト勝利!


勝利の画面が映し出され、Rikaは満足げに微笑んだ。


「これは楽しいわね」


Yuuは深いため息をついた。


「…俺、もうちょっと粘るべきだったな」


Hikariは不満そうに頬を膨ら

ませた。


「ズルい! なんで初めてなのにそんなに強いの!?」


Rikaは自信満々に言った。


「戦いなら、私は負けない」


Kanadeは腕を組み、頷いた。


「すごい…でも、私ももう一回やりたくなってきた」


Hikariも腕を組みながら言った。


「Rikaちゃん、今度は絶対勝つからね!」


Rikaは微笑んだ。


「いつでも相手になるわ」


一方、Yuuは心の中で思っていた。


(この子たちが本気になると、ゲームがただの遊びじゃなくなるんだよな… 次のゲームが怖い…)


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