目次
ブックマーク
応援する
2
コメント
シェア
通報

第27話 自戒の魔女

 風が靡く。

 小鳥が鳴く。

 空は蒼く澄み渡る。

 天国という名に相応しい穏やかな空気が大聖堂を支配するがその下で行われる陰謀は極楽には見合わぬ人の業が錯綜していた。


「あと一時間……訪れるのですねマザー、我々があの最強を手に収めるその瞬間がッ!」


「えぇそうよマーズ、これはアリアンロッド家においてゼベラ派にとっての大いなる躍進の日となる。このパワーバランスの均衡を大きく崩すほどの、貴方達も高鳴っているわよね?」


「「「イエス、マザーッ!」」」


 レザヴィクス中央大聖堂。

 学園内に設置された学生への慰安の意味が込められた有志による公用施設。

 架空の女神による石像を中心としたステンドグラスと液晶画面が設置された世界にはゼベラ率いる親衛隊の声が盛大に鳴り響く。

 端正な顔立ちに筋肉質の肉体、彼女の趣味が如実に現れている右腕のマーズの笑顔にゼベラは頭を撫でながら応える。


(シリウス・アーク……何の因果の奇跡かは知らないけど間違いなく彼はあの伝説と同じ。ゼロシリーズの型式にしてはオーパーツの能力に類まれな身体能力、手にしなくては気が済まない)


 捕食者の如く、舌舐めずりを浮かべるほどの力、今すぐこの手で掴んでしまいたい。

 強欲が疼く中、ゼベラは扇子で仰ぎながら最強の命を握る少女へと視線を向けた。


「これも全て貴方の功績のお陰よミス・クルミ。貴方のリファインコードによって最強へと見事に首輪を付けることが出来た」


「……あっそ」


「あらあら随分な塩対応、あの王子様に毒されでもしたのかしら?」


「まさか……あんな未来のない詰みかけの人間に絆されるとでも?」


 口ではそう言うものの、意に反して明後日の方向を見つめるクルミは思案を巡らせる。


(シリウス・アーク……一体何を考えて)


 あの時に持ち掛けられたシリウスの賭け。

 だがその意図を理解できずにいるクルミは眉を潜めながら緊張を顔に見せていた。

 深すぎる傷を仮面で無理矢理覆い隠していた壊れかけの彼女は苦悩を顔に見せるが弄ぶようにゼベラは言葉を掛ける。


「まぁ何を言われようが変わらないわ。貴方が犯した悲劇の重なりで生まれた罪は。貴方だって自覚しているでしょう?」


「ッ……」


 心を抉る一言はクルミと突き刺さる。

 痛ましい顔を浮かべるほどに悪意が蔓延する空間だがやがて運命の時間は訪れる。

 自らが支配者であると女神像へと寄りかかるゼベラの前には軽快な足音が鳴り響く。

 白銀の髪を持つ神速の使い手はたった一人で亜空の魔女へと対峙するのだった。


「フフッ……おやおや来たのね」


「やぁ魔女様、機嫌はどうだい? 随分と勢揃いみたいだな」


 圧倒的に追い詰められた状況ながらも決して焦りを見せることはない男、シリウス・アーク。

 クルミは心配に満たされる眼差しを向けるが何処までも生意気で、腹の中が読みきれない存在は軽快に言葉を口にする。


「上機嫌よシリウス、これから可愛い貴方が崩れゆく光景が見れると思うと……昂るのは当然」


「ハハハッ! 相変わらずの悪趣味だな、だがその前にちょっとだけお話しないか魔女様?」


「あら嬉しい、貴方の方からお話を持ち掛けてくれるなんて」


 因縁の相手とは思えないまるで友人と話すようにリラックスした様子のシリウスは一体何を考えているのか。

 対峙するゼベラも気になっているようで、意趣返しのように余裕な笑みで問いかける。

 一瞬だけ口角を上げた彼はまるで劇のような大袈裟な振る舞いで言葉を紡ぎ始めた。


「少女Kの悲劇……なんとも悲しい最悪の奇跡が重なった事件だ。だが俺は語られる全容が真実とは到底思えなくてな」


「何の戯れ言? アレはミス・クルミが犯した失態によって生じた自殺であって」


「出来すぎてるな」


「出来すぎてる?」


「偶然にしちゃ余りにも出来すぎてるんだよ。運命の悪戯だって割り切れないほどにお前に都合良すぎる展開でな」


 何を馬鹿なことをと親衛隊達はシリウスへと嘲笑と殺気の混じった形相で捉える。

 マーズもまたその生意気な顔を粉砕してやろうかと武具の刃先を向けた時、突如放たれたシリウスの言葉によって制止されることとなった。


「だからちょっと調べてもらったんだよ。彼女の意志をしっかりと受け継いだ誇り高い副部長にね」


 取り出されたのは複数枚の書類。

 空間にはたちまち疑問符が蔓延を始めるがクルミは直ぐにもその正体を察する。

 気が可笑しくなる夥しい文字の羅列にゼベラは一瞬だけ眉を顰めた。


「それは……法案の推薦リスト?」


「流石だねクルミちゃん先輩、大変だったみたいだぜ? 天才部長のノウハウがあろうと政府に入り込むのは。んでこいつトリシオンの花の法案が可決された際の推薦議員のリストってやつだ」


「へぇ〜でも、だから何だと?」


 他人事のようにしらを切るゼベラを逃すまいとシリウスは新たに切るカードとして一枚の書類を掲げる。


「寄付記録台帳だったっけな? そういうのは細かく知らねぇが金の動きの記録表みたいだな。不思議だね〜今回の推薦議員、全員お前の名義で多額の寄付がされてる。しかも法案提出の数カ月前に異常なほどの支援金がな」


 度重なる指摘の連撃。

 クルミでさえ初耳の事実は着実に淀んでいた空気感を変貌させていき、ゼベラは帽子を被り直しながらパチンと扇子を畳む。


「確か報道機関にも顔が利くんだってな? だったらクルミちゃん先輩の企画を先に見るなんてことは容易だろう。だから仕掛けたんだろ? マッチポンプってやつを」


「マッチポンプ? 話し合いが始まったと思えばそんな世迷い言を聞かされるなんて」


「まぁ聞けよ、お前はクルミちゃん先輩の力を驚異と感じていた。他の手に渡るのも困るが一匹狼で暴れられても困る。だから仕向けたんだ、彼女が自分の支配に置かれるように」


「待って……それって」


「全ては計算で生まれた悲劇、トリシオンの花を違法にすることでケーを逮捕か自殺に追い込もうと画策。どちらにしろ、例の写真を含んだ企画を持ち込んだクルミちゃん先輩は責任を感じる。とな」 


 全て手のひらで泳がされていた。

 このゼベラという名の魔女によって。

 奏でられていくシリウスの推理にクルミは動転したように瞳の奥は揺れ始める。


「まともな精神を奪って手を差し伸べることで彼女を手中に収めた。報道機関は自分の息が掛かって、政府に入り込める技術を持つ人間は極少数に限られる。となればもうこのカラクリを明かせる存在はいない、違うか?」


 たった一人の逸材を物にしたいが為に無実の少女へと罪を被せたという悍ましい推論は空間へと反響していく。

 沈黙は肯定の意、笑うも怒るも何も発しない魔女を前にしてシリウスは畳み掛ける。


「だがお前は彼女の才能に固執し過ぎた。ロッテちゃんも躾けなかったのは悪手だな。視野が狭い悪癖のせいで俺達が真実へと辿り着いてしまったんだからよ。詰めが甘いな魔女のおば様?」


 鋭く敵意を突き刺すシリウス。

 挑発の笑みと共に締め括られた推理ショーに暫しの静寂が流れるがやがて怒気の孕んだクルミの声が痛烈に響き渡る。


「全て……仕組まれていたというの……? そんな下らない強欲のせいで……ケーが死んだというの……? 答えなよ、答えろよゼベラァッ!」


 激情の後押しで即座に顕現したリファインコードの銃口はゼベラの頭部を射程に捉える。

 だが彼女にもまたマーズを筆頭とした親衛隊のリファインコードが突きつけられ、一触即発の事態は即座に場を支配していく。

 張り詰められた空間、だが次にこの聖堂を支配したのは甲高い心からの哄笑の声だった。


「フッ……ハハッ……ハハハハハハッ!」


 不穏なる声の主はゼベラ。

 まるで壊れたかのようにアリアンロッド家の当主は腹を抱え込み始める。

 ケラケラと笑うその姿は狂気という二文字に染まり、魔女の真髄が露わとなる。

 その刹那だった、即座に詠唱を終えた「オーバーコード」の音色と共に顕現した化身が押し潰す形でシリウスの身体の拘束した。


「ッ! シリウスッ!?」


 咄嗟に声を荒げるがクルミの喉元付近には素早く鋭利に煌めく杖が突きつけられる。

 豊満ながら俊敏さを持つゼベラは難なく鎮圧し、蔑みの表情にて彼女を見下ろす。


「全く全く、本当に死に急ぎな人間なのね貴方達って。大人しい天使として従っていれば息災に済ましても良かったのに」


 形相を一変させたゼベラは巧みにクルミの顎を杖でクイッと持ち上げた。


「確かに見誤っていたわね私は。ただの能無しな犬かと思っていたアホ面の男が貴方と同様の素質を開花させていたとは」


「ゼベラ……アンタがケーをッ!」


「商品価値のない女を一人代償にしただけで天性のプレイヤーが手に入る。これ程までに都合の良いビジネスチャンスはないでしょう?」


「なっ……命を何だとッ!」


「人生の起因に待つ最後は誰だろうと死。それを少しだけ早まらせたことの何が悪い? いずれ命が消えるのは自然の摂理でしょう?」


 展開される狂気すらも超える地獄の欲望。

 クルミは息が荒げながら明確なる殺意を向けるが一切の動揺はない。

 彼女は哀れな存在だと改めて悟り、クスクスと笑った後に視線を外した。


「悪いのは貴方よミス・クルミ、貴方に才能があってしまったから、手にする力の使い方を誤った結果がこの因果応報を生んだ。親友だけに限らず手を差し伸べた王子様も殺すみたいね」


 今にも絞殺しそうな勢いの怒りを身に纏うクルミへと気丈にゼベラは言葉の槍を放つ。

 この絶望への誘導こそが彼女の真髄、良心の呵責がまるで見当たらない魔女は親衛隊を背後に新たな取り引きを持ち掛ける。


「でも私は慈悲深い人間、貴方が持つ音声を学園に散布すれば特別に不問としてあげる。な〜に生き残れる可能性があるだけマシでしょ? ここで無惨に蹂躙されるよりも」


 獅子すらも怯まず眸子で威圧する魔女に一切の揺らぎはない。

 この心臓を止める等造作もない力を持つ狡猾な悪女は甘言と脅迫をもって揺さぶりをかける。

 どちらを選ぼうと地獄でしかない破滅の道に進むしかない者達に興奮を昂らせながら。


「貴方達の敗因は切り札の取捨選択を間違えたこと、ここにいるのは私達だけ。貴方達が明かした真実は幾らだって闇に葬れる。結局はその抗いも自分で自分の首を絞めただけの自爆ってところね。アッハハハハハハハハハハハッ!」


 どこまでもどうしようもなく腸が煮えくり返る笑みを見せるゼベラは忌まわしき者達の人生に終止符を打たんと決断を迫る。

 勝ちを確実したことを意味する狂喜の声で彼女は破滅しかない者達に悦楽を抱いた。

 やはり私こそが支配者、私こそが人を蹂躙出来る立場にいる、ナイン・ナイツとしての傲慢は盛大に爆発していく。


「ハッ……ハハッ……アッハハハハッ!」


 だが孤高なるゼベラの笑い声にはやがて同調するような高笑いが重なっていく。

 何事かと視線を移した先にいるの自身の化身に拘束されているシリウスだった。


「あらあら、何をそんなに笑って? バッドエンドを前に遂には正気を失ったのかしら?」


「アッハハ……違うさ、お前の滑稽さに爆笑していただけだよ。やっぱり詰めが甘いってな」


「何を言って、負け惜しみを宣うにしてももう少しは弁が立つ言葉を」


 そう、嘲笑っている最中。

 絶望として止まっていた時間は突如として生じた耳障りな雑音によって加速していく。

 何事かと振り返ったゼベラの視界には大聖堂内部に設置された液晶画面が砂嵐に満たされている光景が瞳に焼き付く。

 疑問符が脳内を侵食する中、やがて画面には予想外の存在が映し出されるのだった。


『ハローオーディエンス! セリナ・ホットラインの放送を見てくれてありがとう♪ 今日は特別、緊急生放送でお送りしてるよ!』


「セリナ・ウィレイクスター……? 何をして」


 大衆を扇動するには十分な美貌と話術を兼ね備える淫魔族のアジテーター、セリナ。

 突如としてセリナ・ホットラインの放送を始めた彼女にゼベラは理解出来ずに啞然とするしかないが時間は待ってくれない。


『今日の放送内容はデデン♪ ナイン・ナイツ、ゼベラ・アリアンロッドの不祥事! いやぁこれは激ヤバなニュースだよ! ある人物から映像を貰ってね。それがこっちら!』


 それはこのパワーバランスを破壊する。

 画面には映し出されていた、生々しく自らの悪行を誇らしく語る自分自身の姿が。  

 何故か空中から撮影されている言い逃れが出来ない鮮明な映像と共に。


『商品価値のない女を一人代償にしただけで天性のプレイヤーが手に入る。これ程までに都合の良いビジネスチャンスはないでしょう?』


「はっ……?」


『貴方達の敗因は切り札の取捨選択を間違えたこと、ここにいるのは私達だけ。貴方達が明かした真実は幾らだって闇に葬れる。結局はその抗いも自分で自分の首を絞めただけの自爆ってところね。アッハハハハハハハハハハハッ!』


「ちょ……えっ……?」


 脳の処理が追いつかない。

 何故こんな映像が流れている?

 一体誰がこの映像を撮影して流した?

 理解しようとすればするほど理性は明後日へと向かい、動転が本能を支配する。

 映像はやがて混乱に満たされているゼベラが晒すアホ面を最後に終わりを告げた。


『今の映像にもある通り、ゼベラは真実の探求者の二つ名を持つクルミを支配したいが為に法律を変えて親友を自殺に追い込んだって話だよ! 怖すぎるよ〜バビロンなゲスゲスの極み! 皆もこんな非道はしないでね♪』


「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」


 木霊する痛烈なる絶叫。

 常に支配側にいた余裕ある表情は見事に崩れ去ると当主の乱心は親衛隊にも伝染する。

 怒りと驚きの境界線で声を発したゼベラだが、混乱に乗じて化身を盛大に吹き飛ばしたシリウスの笑みが更に冷静さを蝕む。


「だから言っただろ? 詰めが甘いってな。そういや百年前の当主も似たような感じだったか」


「貴方……一体何をッ!」


「何ってオーディエンスに晒しただけだが? お前が犯した全ての罪を白日の元に。クルミちゃん先輩の録画機能を使ってな」


「ミス・クルミですって……?」


 予期せぬ謀反に咄嗟に振り返ったゼベラには怒りの形相が突き刺さる。

 ゆっくりと顔を上げたクルミに諦めの色は消え去り、闘志に漲る紫電色の瞳が逞しく煌めく。


「そういうことだったんだ……あーしに願った王子様の考えっていうのはさ」


「お前があの孤児院から去った後、彼女に頼んだんだ。明日のやり取りを生配信で録画してセリナに送ってくれとな。アリアンロッド家の人間のことだ、しらを切り続ければいいものを少し煽れば自分から白状すると考えてな?」


「録画? いい加減なことを……彼女は化身を出現させていないじゃないッ!」


「いいやいたさ、始めからな」


 種明かしを意味する指鳴らしが響く。

 瞬間、空間には亡霊のようにクルミが有する道化師に酷似した化身、マザーズ・ド・リアリズムは唐突にその巨躯を出現した。


『ケファファファファファァァッ!』


 本物であることを意味する奇っ怪な笑いが轟き、悍ましき風貌は周囲を威圧していく。

 同時に誰一人としてこの奇襲を見抜けなかったカラクリの仕組みは追随するように響いた力強い声によって明らかとなる。


「今度は貴方が騙される番っすよ、ゼベラ・アリアンロッドッ!」


「貴方は……副部長の……?」


「ロッテ・ルーファルス、アホ面と馬鹿にされた副部長っす。その名前しっかり覚えておけっす!」


 黄金に輝く輪を四肢へと装備するロッテはここぞとばかりにゼベラの前へとその姿を現す。

 彼の肩部には自らの化身である小さな数多の輪が肉体へと刻まれている狐状の蒼き存在は可愛らしくも逞しく威嚇を行った。


「俺のフェイク・ストックが持つリファインバースト、アステール・ファンタスマは対象の気配を十分だけ完全に消滅させる能力、戦闘向きじゃないっすけど騙し討ちには最適っすねッ!」


「てことだ、ロッテちゃんの力で気配を消してお前の赤裸々を録画させた。馬鹿にした勇敢な男に致命打を与えられる気分はどうだ? 魔女様?」


「反逆風情が生意気なッ!」


「廻ったんだよ、支配者から転落する側へとな。やっぱりお前もナイン・ナイツだ、ここぞの場面でボロが出る二流の悪役でしかない」


 手練手管、権謀術数に入り組められていた支配が崩れゆく音が鳴り響く。

 勝ちを確信した故の致命的な綻びが煙を巻くことすらも不可能になるほどに自らの首を絞める。

 飼い犬に噛まれた状況にゼベラは血管が浮き出ると激情を露わにする。


「犬が飼い主の邪魔を……! 親衛隊ッ!」


「「「イエス、マザーッ!」」」


 ゼベラの怒号に応え、彼女の背後に控えていた親衛隊は報復と一斉に動き出す。

 だがまるで予期のしない方向から放たれた正確無比の銃撃が重力を失った人形のように軽々と数人を吹き飛ばした。

 組まれた隊列を穿つ突然の攻撃に親衛隊はつい足を止めた中、鮮血を支配する黒髪のお姫様は盛大に着地を決める。


「させないわよ、これ以上アンタの暴走を」


「ッ! リズ・クレイド・スタイナー……!」


「人の命を弄んで、運命を踏み躙って……人の皮を被った悪魔に慈悲なんてない」


 華麗に乱入したリズにゼベラは「奴隷王の娘が生意気に」と身勝手な憤りを抱く。

 対抗と軽蔑の瞳を彼女が向ける中、シリウスは華奢なリズの肩へと手を置いた。


「ナイスアシスト、リズちゃん」


「ごめんなさい、アンタからの頼まれごと、ちょっと時間がかかって救援が遅れたわ」


「いいや、ベストタイミングだよ」


 完全に崩壊したパワーバランス。

 この鬼畜を極めたゲームを支配する魔女と諦めを知らない反逆者達は一堂に会する。

 苦悶を滲ませるゼベラへと閃光すらも霞むシリウスが顕現したカリバーの切っ先が魔女を見据えたのだった。


「さぁ魔女様、反撃編と行こうかッ!」


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?