駅前の大型ショッピングモール、ミオンモールは俺の住んでいた世界でも実際に有った全国展開の大型商業施設だ
開発元の大手ゲームメーカーのスポンサーにミオングループが付いていた事もあり、大手ゲームメーカーの手がけるゲームでは常連の様に出て来る
実際に、このゲーム内のミオンモールはイベントやミッションで何度も訪れるので、現実として足を踏み入れる事が出来て感動してる
「ん?城二ここのミオン来るの初めて?」
「え?あ、ああ、そ、そうなんだよ、以外だろ?あは、はは」
どうやらお上りさん見たいにモール内をキョロキョロしていた様だ...まぁ実際にモール内の細かい描写はゲーム内では取り上げられて無いから、ここは知らない事にしといた方が良いかもしれない
「ん、了解まかせろ」
真白は手を繋いでない方の手で前の方を指さし、意気揚々とモール内を案内し始めた
「ここで、服の上下を買う」
連れてこられた店は、キャンプ用品を取り扱う最近流行りのアウトドア専門店だ、真白に引っ張られ中に入るとテントや寝袋以外にも焚き火用のグッズやバーベキュー用のコンロ、簡易トイレまで展示してあった
「へぇこんなもんまで有るのか...」
「服はこっち」
店の奥のコーナーにあるアウトドア用の衣類を取り扱っている場所に連れてこられた
「こういうのは、機能重視と思っていたけど中々オシャレなんだな」
「ここのは、カジュアル性も重視してるしね...あ、これなんか良いね」
そういうと真白はジーンズ生地のズボンを手に取り俺の方へ向け何度も見比べる...そして何点か色違いを選んで2色に絞ったみたいで俺に両方手渡すと
「ん、城二着て見て」
言われるがまま更衣室に入り一つ目のズボンを履くと、カーテンを明け真白に見せる
真白は何も言わず顎に手を置いて真剣な顔をして小さく頷いていた、再びカーテンを閉めると次のズボンに履き替え再びカーテンを明ける
「うん、紺色より茶色のがいいね、これにしよう」
ズボンを脱ぎ元通りに畳んでから更衣室を出ると...真白が見当たらない、キョロキョロと店内を探してると隣の更衣室のカーテンが開き
「城二、私はどう?」
見ると隣の更衣室に真白がいてカーテンからズボンと顔だけ出して俺に声を掛けて来た、真白は俺とおそろいのジーンズ生地のズボンを選んだ様だ
「後ろしか見えないから何とも言えないな...」
すると真白は、なるほど!と言う顔をすると俺を手招きで呼び寄せる、俺は真白に誘われるまま更衣室に歩み寄ると...!?
急に手を引っ張られ更衣室の中に連れ込まれる
「って...急になんだよ真白...ってぇぇぇ!」
真白はズボンは履いてるが上は下着姿だった!
「ちょっ!おまっ何!?」
「ん?城二が前から見ないと解らないっていったから、ほら早くどう?」
一応手で胸は隠してるが...真白の大きすぎるお胸は隠し切れる物ではない
「い、いや、わ、分かった、似合ってる似合ってるから!!」
そう言いながら目を瞑り慌てて更衣室を出る
暫くすると真白が服を着て更衣室から出てきた
「城二...目を瞑って似合ってる言っても説得力ない」
ジロっと睨まれる...が、溜息を吐いてすぐ笑顔になり
「まぁ元々城二とお揃いにするつもりだったからまぁ良いかこれにしよ」
その後、一緒にインナーのシャツを選び、サバイバルジャケットを一緒に選んだ
「服はこんな所かな?後は...靴とリュックだね」
「靴は大事だよな、トレッキングシューズだよな」
「ん、そうそう」
真白に案内されたシューズショップのトレッキングシューズのコーナーに寄っていた
「城二、これハーキンスのシューズが靴底厚くて良いよ」
真白の選んだシューズは、トレッキングシューズの有名なメーカーの物だった、これなら間違いないだろう
「良いね、これに決めようか」
「ん、じゃ買いにいこ」
シューズを選び一緒に会計を済ませ、最上階にあるリュック専門店に向って歩いてると
ぐぅぅぅぅぅ
よこから、可愛らしいお腹の主張が聞こえる
「...城二...おなかすいた」
「だろうね、フフフフ」
「笑うな」
「ククック...いや悪い悪い...可愛いお腹の悲鳴が聞こえたな」
「...罰として私にハンバーガーとメロンソーダ―奢れ」
「OKOKそのくらいお安い御用だ」
俺は真白を伴いモール内にあるフードコートに立ち寄ると、大勢並んでる列に二人で並ぶ
「多いな」「モゴモゴ...おぉびぃモゴモゴ...っっ!?」
今横で俺が持ってきた、ブレスエチケット用のタブレットを大量に口に放り込みモゴモゴと口を動かしてる真白...ミントが強すぎて若干涙目だ
ようやく俺たちの番が来て、俺はダブルチーズバーガーとポテトとコーヒーのセットを、真白はビッグバーガーとサラダとメロンソーダを注文した
トレイに乗せて空いてる席を探す
「あそこ空いてる」
外のテラス席が空いていたので、そこに向かい合わせで座る
・・・・・・・・
真白はよほどお腹が空いていたのか俺のポテトにも手を付けモグモグと口を動かしている
「おいおい、もう真白にやるって言ったんだから取らねーからゆっくり食えよ」
「...モグモグ...城二には私のサラダをやろ」
そい言うとセロリだけ残った野菜スティックのケースを俺の方へ押して寄越す
「...てめぇ~ただ単にセロリが苦手なだけだろ」
真白との昼食を楽しんで居ると、お約束の展開が訪れる
「うぉぉぉ可愛い子ちゃん発見!!」
「わお!メチャ俺の好みじゃん」
俺たちの横を通り過ぎようとしていた、如何にも三流のモブチャラ男達が必死でポテトを口に運ぶ真白の胸を凝視して立ち止まる
(やれやれ...やっぱりこういう展開か...)