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第59話 脱落する者達

〇東光高等学校 郊外施設 秘境 管理ランク[D]



出現した秘境への扉に3番のゼッケンを着けた3名のパーティーが恐る恐る侵入して行った...


3番のパーティーメンバーの名前は全く知らないが、他の連中が話してるのを聞くと2年4組の実力者トップ3が組んだ中々有望なパーティーらしい...


不謹慎ながらも俺達の秘境テストに対して、一部の心無い連中はオッズを付けて競走馬に見立てだれが一番の成績でクリアするのか賭け事の対象となっていた


まぁ順位を決めると言っても学科の総合点数と、秘境最深部への到達(その為のアイテム回収)が必須になるが秘境内部で取った行動が加減点対象となり、学科総合点数と秘境獲得点数で順位付けされるのだ


そしてオッズの人気順は


①雨宮 真白


②北野 尊


③藤堂 時哉

④宮下 藍瑠

⑤池上 天音


以下省略


順当と言えば順当である、ちなみに俺...北野 城二は23組50名中で同率48位らしいどうでも良いけど


今回最初に入った3番の3人パーティーは天音さん以降でトップテンに入る実力者揃い今回の秘境テストの難易度を測るにはうってつけという事で皆が注目している...


「秘境内部で混戦になるのを避ける為、3番の組が第二エリアを通過した時点で次の組が出発だ」


それから約15分程経過した所で


「じゃ次6番中に」


次の6番のパーティーが緊張の様子で秘境内部へと入って行った


そこから更に10分経過した時点で...


「3番失格...帰還だ」


そう皆川先生が目を瞑り呟くと祭壇の前に丸く光る魔法陣が出現し、最初に入った3番のパーティーが現れる


「くそっ・・・」


3人は地面に蹲り悔しそうに肩を落とす...よく見ると体のいたるところに小さな傷があり秘境内部での激戦具合がうかがわれた...


「3人とも救護テントで治療を受けて来るように...次17番準備だ」


有力候補だと思っていた3番のパーティーの途中棄権という事態に不安になる参加メンバー...救護テントに体を引きずりながら向かう3人に声を掛ける余裕もない...


そんな中表情を変える事無く秘境入口の前に立ちスタンバイする尊...そしてその後ろで緊張してる様子の藍瑠...


ここからじゃ聞こえないが尊は藍瑠に優しく微笑み話かけている様だ...


(まぁ尊 藍瑠のペアは此処は安泰だな、秘境内操作説明のチュートリアルの段階だからな)


「よし、17番秘境の中に」


皆川先生の号令に静かに頷き藍瑠の手をとり尊は中に入って行った...




・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・


「14番失格...帰還」


これで既に失格となったパーティーは4組...今の時点で半分は最深部に未到達という状況だ


「次、19番...中に」


「行くぞ天音」


「はぁ~い♪」


藤堂と天音さんのペアが秘境へと入って行く...藤堂は真剣な表情だが天音さんは相変わらず飄々としてる...


「21番準備だ」


「「はい」」


21番は同じクラスの青木さんと葛西君だ、ちなみに青木さんはクラスの学級委員長を務める真面目で黒いおさげ髪の似合う眼鏡女子だ、そして葛西君は一年の時から図書委員を務めてる七三分けの眼鏡読書男子...


見た目で二人とも文系と思いきやクラス内でも3本の指に入る身体能力を持つハイスペック、インテリカップルだ...そう二人はクラスで公認の恋人同士でもあるのだ


まぁこれも公式設定ではあるが特に公表してないし、ゲームに登場はするが物語に関わらないキャラなのでさしてプレイヤーの興味も持たれてないのかあまり知られて無い、だが俺的には暖かく見守りたいカップルである


「それじゃ21番中に」


「次最終組 23番準備を」


「はい」


俺と真白は立ち上がり祭壇の奥にある秘境入口で待機していると...


「北野、少し話がある」


皆川先生に呼ばれ真白に断ってから先生の元に行くと...


「城二...お前の頑張りも努力も認める...よく此処まで成長したものだ...」


「はい?有難うございます?って、急にどうしたんですか?」


綾瀬は少し言いにくそうにしながらも意を決して俺の目を見つめ...












「城二...悪い事は言わない、棄権するべきだ」















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