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第22話 神衣へと至る道



〇—————————魔刑部 修練場


「はっはっ...くっ...真白少し休憩を...ゼェゼェ」


「ん、城二軟弱そんなんじゃ乳デカに勝てない」


どうやら真白なりに不貞腐れているらしい...て言うのもここ最近、毎朝駅前で天草先輩と偶然出くわし一緒に登校していた事を真白に昼話したら氷の様な冷たい流星眼で睨まれてから不機嫌になっている


そして真白が部活中に天草先輩に


「乳デカ先輩、なんで城二と毎朝登校してる?」


と鋭い流星眼を向け尋ねると、流石の天草先輩も観念したのか顔を真っ赤にして目を泳がせながら


「あ、あぁ~いやぁ~あ、そ、そうだ!!ボク前に城二君を部活に勧誘する為とは言え一度負けてるからさぁ~その...なんて言うのか...好みのタイプ...じゃない!そう、弱点みたいのを探ってるんだよぉ!」


いや天草先輩そんなの大声で言っちゃ俺に聞こえちゃうでしょ?


天草先輩の深慮遠謀?な作戦を見抜けなかった俺もまだまだ甘いのだろう...


そんな俺を負けさせない様にと、真白さんのシゴキは過度を極めている



〇———————————



「フフフ、城二なんだかんだで魔刑部に馴染めてるみたいで何よりだ」


真白との併せ刑でへとへとになって座り込んでる俺の横に九鬼先輩が並んで座って来た


九鬼先輩もいまさっきまで天草先輩と併せをしていたのもあり、ほんのり汗が滲み火照っているのか、顔も上気して呼吸も浅い...


それに檜の様自然のいい香りがする...


「ん?どうした城二、私の顔に何か付いてるか?」


「あ、い、いえその...いやぁ~俺みないな男一人なんで、他の方もやりにくく無いかなぁ~って心配してて」


「フフそんな事無いと思うぞ」


そう言うと、九鬼先輩は立ち上がり他の部員に向かって声を掛けだす


「おぉ~い、今から城二先生の裏カルマ法の追加講座を聞きたい者は居るかぁ~!」


九鬼先輩の呼びかけに修練していた他の魔刑部員たちが手を取り合って喜びながら


「「「「「は―――――い!」」」」」


元気良く全員が手を上げて答える


「ほう...城二先生の裏カルマ法か私も興味あるな...是非生徒の一人に加えてもらおう」


奥で部員に指導していた皆川先生までも悪戯ぽく微笑みながら他の部員に混じり、いつの間にか用意されたホワイトボードの前へと集まって来た


俺は仕方なくホワイトボードの前に立ち、裏カルマ法講義第二部を開始するのだった


「つまり、神憑依から神衣に至る為の最短は、心域を最大値にしてセット出来うる限りのスキルを詰め込んで修得したスキルを全部50回以上使用する事が解放の条件になってるんです」


「ですから、裏カルマ法で心域を広げスキルのボリュームバランスを見ながら50回目処に使用するのが最短で最速の到達方法となります、当然心域が最大値になって無くても50回の使用が出来れば神衣への昇華は可能ですが、どのみち神視レベルを自身の最大値迄上げて行かないと神との同期が出来ずスキルも満足に覚えれないので、僕は先の方法を推奨してます」


ホワイトボードにサインペンで細かい仕様を書きなぐり、言うべき事を言い終えたのでキャップを閉めて皆の方を向き直ると


「「「「.........」」」」」


全員が口を大きく開けて目を丸くして固まっていた...


「お、おい...北野...神衣への昇華方法は未だに解明されてないんだ...それを...」


「いやぁ―――流石私が直々に欲した逸材だ、これは歴史的発見になるぞ!」


やばい...また調子に乗ってやらかしてしまった..魔都東京1999の攻略方法の話になると自制が効かない...こんなんじゃ何時かボロがでてしまいそうだ...


俺は事情を唯一知ってる皆川先生へと視線を移すが、呆れた様に笑われ静かに首を振りフォローを拒否されてしまった...


「では城二先生、城二先生から見て私と雨宮を除いて今誰が最も神衣へと昇華へ近いと視る?」


九鬼先輩が俺の横に立って、俺の話を聞いてくれていた部員達に手を翳す...


「それは天草先輩ですね、僕の見立てでは遠くない先で神衣へと昇華出来ると思います」


俺に名前を呼ばれた天草先輩は「え?ボク?」と自分を指さしながら驚いて混乱してる様だ


しかし、これは紛れも無い事実だ小百合は夏休み中に行われる魔刑部大会にて残念ながら、宿敵のライバルに神衣されてしまいあえなく敗北してしまう


その悔しさをバネに尊と必死に特訓し、大会から僅か1ヵ月という期間で神衣の昇華に至るのだ


そしてその特訓の中で尊との親睦を深め、その時点での好感度が藍瑠を超えていた場合には小百合との恋愛ルートへと進む事になる


だから俺の言ってる事は間違っては居ない...が


「じゃ...じゃぁさ...城二君ボクと一緒に特訓をしてくれないかい?大会までに神衣出来る様になって、どうしても勝ちたい相手が居るんだ!頼むよ」


天草先輩に両手を握られ潤んだ瞳でお願いされてしまった...


いやでも...天草先輩との特訓は主人公の尊の役目であって...天草先輩が神衣するのは大会後何だが...


「ダメかい...ボクみたいな男の子みたいな女の子と一緒に特訓するのは...城二君はボクの事嫌いなのかな...」


くぅぅぅぅぅ...なんて可愛いんだぁぁぁ


「ダメな訳ないじゃないですか!絶対に大会までに神衣出来る様になりましょう!!」


「やったぁぁ!有難う城二君————!!」


「!?ちょっ!?天草先輩!?みんな見てますってぇぇ!!」


俺は天草先輩に思いっきり抱き付かれ、柔らかな二つの山を堪能してしまった...


「城二...なんかヤラシイ」


「ふふ、城二も隅に置けないな」



横から俺の事を白い眼で見てる2人の女性が居る事に、この時は気付いていなかった...


















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