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第61魔:作詞作曲 病野沙魔美

「堕理雄! 私実は、四十二歳なの!」

「マジか! 実は俺も、十一歳なんだ!」

「堕理雄君! 私実は、ピッセと付き合ってるの!」

「菓乃子!」

「先輩! ウチの耳の位置に付いとる、この魚のヒレみたいなやつ、実は取り外し可能なんや!」

「ピッセ!」

「お兄さん! 私実は、隠れGカップだったんです!」

「真衣ちゃん!」

「普津沢さん! 私実は、東城より西野派なんです!」

「未来延ちゃん!」

「お兄ちゃん! アタチ実は、巻き爪なの!」

「マヲちゃん!」

「パパ! 私実は、パパの娘じゃなくて、孫なの!」

「多魔美!」

「堕理雄さん! 実は僕の本名は、伝説の怪獣アノヒミタハナノナマエヲシタカラミルカヨコカラミルカじゃなくて、佐藤一郎っていうんです」

「新キャラ!」

「じゃあみんなで歌いましょうか!」

「「「「オオ!」」」」




『君とのOMOIDE』


作詞作曲 病野沙魔美


君がくれたポケベルは(Wow wow)

今も押入れの中で眠っているよ(Tonight)

君がくれた蠅取り紙も(Yeah)

押入れの中でクシャってなってる(Forever)


嗚呼 ここに君はもういないけど

今日も僕は職安に通うよ

昨日競馬で二万スッたよ


(台詞)

「たまにコンビニで漫画雑誌の上に

 温めたお弁当を断りなく入れる店員さんいるよね?

 家に帰ってから漫画雑誌取り出すと

 シナってなってて読みづらいんだよね

 まあ いいんだけどさ」


君がくれたMDコンポは(Wow wow)

フリマアプリで千円で売れたよ(Justice)

君がくれたテレビデオは(Yeah)

なかなか売れずに値下げ交渉されてる(Destiny)


嗚呼 ここに君はもういないけど

今日も僕は職安に通うよ

昨日競馬で三万スッたよ

明日も僕は競馬場に向かうよ



「「「「ウェーーーーーーイ」」」」

「……なあ、沙魔美」

「何? 堕理雄」

「エイプリルフールって、こういうことじゃなくない?」

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