堕理雄君
ちょっと聞きたいことがあるんだけど
今少し時間大丈夫かな?
22:17
大丈夫だよ。珍しいな、菓乃子が俺に連絡してくるなんて。何、聞きたいことって?
既読
22:18
今日って
沙魔美氏は泊まりに来てる?
22:18
いや、今日は来てないよ。なんで?
既読
22:19
あ!
そうなんだ!
ううん!
何でもないの!
気にしないで!
じゃーねー!!
22:19
お前菓乃子じゃないだろ?
既読
22:19
え!?
なんで!?
私は菓乃子だよ!!
菓乃子に決まってるじゃん!!
22:19
さてはピッセだな?
既読
22:20
ピッセじゃないよ!!!
菓乃子だよ!!!
22:20
じゃあ今からピッセのスマホに電話してもいいか?
既読
22:20
それはやめて!!
わかったよ
白状するわい
ピッセやピッセ
なんでわかったんや?
22:21
何となく。テンションもおかしいし。菓乃子はそんな頻繫に改行入れないしな。
既読
22:21
ああそうか
流石先輩やな
一本取られたわ
22:21
なんでピッセが菓乃子のスマホ使ってんだよ? 今一緒にいるのか?
既読
22:21
魔女には絶対黙っといてくれるか?
22:22
内容によるけどな。
既読
22:22
実は今日は
ウチが初めて菓乃子の家に泊まりに来とるんやけど
そのことを魔女が知ったら
またいろいろと茶々入れられそうやろ?
せやから菓乃子が風呂入っとる間に
菓乃子のスマホをコッソリ借りて
こうして先輩に探り入れてみたってわけや
22:23
なるほどな。よくわかったよ。そういうことなら沙魔美には黙っといてやるから、安心しろよ。
既読
22:24
ホンマか!
サンキューな先輩!
恩に着るで!
22:24
そうだピッセ。菓乃子の家に泊まるなら、菓乃子が喜ぶいいものを貸してやるから、玄関の鍵を開けて待っててくれよ。今から持ってってやるから。
既読
22:25
何やええもんて?
まあええか
楽しみに待っとるで!
22:25
うん。すぐ行くよ。
22:25
「沙魔美、風呂出たぞ。お前も入ってこいよ。――って、あれ!? お前何、俺のスマホ勝手に弄ってんだよ!?」
「あんの泥棒魚がああああああああ!!!!!」
「!?」
沙魔美は鬼のような形相をしながら、目にも止まらぬ速さで玄関から出て行った。
そしてその数秒後、何故か隣の部屋から、ピッセの断末魔の叫びが聞こえてきたのだった。
どういうことなの……。