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第116魔:夢が叶ったわ

――:本日はバラローズで『県立雀聖じゃんせい高校麻雀部』の連載がスタートしたナットウゴハン先生に、作家としての心構えをインタビューさせていただこうと思っています。ナットウゴハン先生、よろしくお願いいたします。


ナットウゴハン(以下『ナ』):よろしくお願いします。


伝説の神獣アーティスティックモイスチャーオジサン(以下『伝』):どうも、私が伝説の神獣アーティスティックモイスチャーオジサンです。


――:……先生、こちらの方は?


ナ:ああ、これはペットみたいなものですから、お気になさらないでください。


――:ペット!?


伝:いやあ、ペットだなんて恐縮です。


――:……。


ナ:あ、すいません。私ちょっと、おトイレに行ってきてもよろしいでしょうか?


――:え!? あ……ええ、大丈夫ですよ。どうぞどうぞ。


ナ:では少しだけ失礼します。


――:はい。


伝:……。


――:……。


伝:……。


――:……。


伝:あのお。


――:え!? は、はい、何でしょう。


伝:休みの日とかは何をされてますか?


――:は? 休みの日ですか。……そうですね、本を読んだり、買い物に行ったり、予定が合えば友達とご飯を食べに行ったりしてますね。


伝:なるほどなるほど。


――:……そちらは?


伝:私ですか? ……太陽って凄いと思いませんか?


――:え?


伝:太陽ですよ。私達の上に燦燦と輝くあの太陽です。


――:……えーと、どういう意味でしょうか?


伝:だって太陽と地球は、約1億5000万キロメートルも離れているのに、太陽の光と熱は、地球まで届いてるんですよ。


――:あ……。まあ、言われてみればそうですね。


伝:そしてその太陽の光と熱がなければ、地球に住む生物は生きていけません。つまり太陽は、1億5000万キロもの彼方から我々を支える、母の様な存在なのです。


――:……なるほど。今まであまり意識したことはありませんでした。


伝:そんなことを考えていると、大体休みの日は終わっていますね。


――:あ! 今のは休みの日にしていることの話だったんですね!?


伝:そうですそうです。


――:……それはなかなか、有意義な時間の使い方をされていますね。


伝:いやあ、それ程でも。


――:……。


伝:……。


――:……。


伝:……。


ナ:すいません! お待たせしました!


――:先生! お待ちしていましたッ!! では早速、インタビューに移らせていただきますね!


ナ:はい、どうぞ。


――:まずお聞きしたいのは、先生が漫画を描き始めたキッカケについてなのですが。


ナ:キッカケですか……。そう、あれは私が――。あ、大変申し訳ないんですが、またちょっとおトイレに行かせていただいてもよろしいですか?


――:またですかッ!?!?


ナ:実は緊張して、お茶を飲みすぎてしまいまして。すいません、すぐに戻ります!


――:先生!? ちょ、先生ッ!?


伝:……。


――:……。


伝:……。


――:……。


伝:あのお。


――:……はい。


伝:好きな男性のタイプって、どんな方ですか?


――:…………話が合う男性ですかね。







「……沙魔美、何だこれは?」

「私がこの間受けた、インタビュー記事の見本誌よ。私こういうの受けるのずっと憧れてたから、また一つ夢が叶ったわ」

「お前ほとんど喋ってねーじゃねーか!? 俺も付いていってやるから、今から編集部に土下座しに行くぞ!!」

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