目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第3話 入学式

大我を背中に背負いながら大輔は入学式に出た。大我は、ウィスキーを一気飲みして眠ってしまったのだ。健が心配そうに横にいる。


「入学式!晴れの舞台じゃないか!」


と大輔は笑いながら首席代表として体育館に向かった。体育館に着くとパイプ椅子に座って大我を大輔は起こした。


「ここは?」


まだ大我は寝ぼけているらしく


「入学式だぞ!」


と大輔に言われるまで分からない様子だった。


「こいつは失敬!」


と大我は反省してる様子だった。


「首席代表!冠城大輔君!」


と校長に呼ばれ大輔は檀上に堂々と立った。


「俺様は、冠城大輔!天下を取る漢だ!」


と大きく叫んだ。


会場は、一瞬静寂に包まれたが大歓声が沸き起こった。


大輔には、祝辞なんて屁の河童である。大輔は大輔らしい挨拶をしたのだ。


「大輔君、カッコイイよ!」


と席に戻って来た大輔に健が言った。


「紙一重だな。」


と大我が言った。こいつは御殿様じゃねー傾奇者だ。こいつの仲間になれば本当に天下が取れるかもしれねー!大我はワクワクした。こんな漢出会った事がねー。官僚の夢なんてちいせーよ!ビッグになりてーな。東大なんて屁の河童だ!


「大我、もう酔は醒めたか?」


と優しい声で大輔は大我に聞いてきた。


「おうよ!あのくらいの酒で情けねー!あとで花見に行こうぜ大輔!」


「おお!良いな!風流だな!」


健が、困った顔をしているが微笑ましく思っていた。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?