転移魔法陣を使って屋敷へ帰還すると、シオンとメイド達は転移魔法陣の前で待機していて、私が戻ると同時に出迎えてくれた。
「「アリス様、お帰りなさいませ」」
「シオン、みんな出迎えありがとう」
出迎えの礼を伝えると、疲れと汚れを落とすために大浴場へ向かい始める。シオンは移動中に戻ってから予定について話し始める。
「アリス様は、ダンジョンの攻略より戻られたら、馬車を牽引する馬を購入をするために、馬を取り扱う商会を呼ぶようにと言われてましたが、お疲れではないかと思いまして、私の判断で明日の午前中に手配を致しました。それで宜しかったでしょうか?」
シオンはダンジョン攻略で疲れていることを配慮して、翌日に段取りを組んでくれていた。細かいところに目が届く素晴らしい対応だね。
「ありがとう! ダンジョン攻略は想像以上に大変でさ、私もゼシカ達も疲れてたんだよ。気を遣ってくれてありがとう」
「勿体ないお言葉です! すぐに食事の用意を致しますので、それまでは湯浴みをして汗をお流しください」
「うん。お願いね」
「「アリス様、湯浴みへお供します」」
私はゼシカ達を連れて大浴場で湯浴みを済ませ、部屋着に着替えて食堂へ向かって行く。既にスープと前菜が置かれていて、私が席に着いたタイミングで食事が始まった。
食事の席には、私とゼシカ・アナ・リューネの3人と、メイド長のシオンに守衛長のアマンダも一緒に食事に加わってもらう。そこでダンジョン攻略の内容と、留守中にあったことの報告会を兼ねたの。
主な内容次の4点ね。
・嘆きの地下迷宮の攻略は、最深到達点を更新したこと。
・浄化の指輪と嘆きの少女像の扱い方。
・スライムの心と鬼の心をどうするか?
・屋敷のリフォームについて。
地下迷宮での最深到達点の更新については、冒険者ギルドへ報告すれば前人未到の偉業達成となり、その偉業は王都まで届くはず。そうなれば王都より召喚状が来るかも知れないらしい。褒賞金を貰うのは良いとしても、王都からの召喚については面倒くさいので、召喚状が届いた場合は拒絶を使って無視することにした。
ダンジョンの未踏だった階層のマップや、出現する魔物の情報については、冒険者ギルドの方で買い取ってくれるだろうとのことなので、ガッツリと稼げると思った。
浄化の指輪と嘆きの少女像の2点は、有力者が集うオークションに出品すればボロ儲けできるみたい。指輪だけでも守衛に渡そうと提案したが、効果を付与したアイテムを渡す方が、遥かに性能が良いみたいなので、オークションへ出品する。
スライムの心と鬼の心は、一応は安全に配慮することを考えて、拒絶の森の本拠地で魔力を注ぐ運びとなった。
最後に屋敷のリフォームについては、新鮮な食材を使った料理を提供したいという要望で、魚介類を生きたまま入れる生け簀と、大型の保冷庫が欲しいとのことだった。他は屋敷のセキュリティを万全にするために、守衛門や屋敷の外壁を強化したいと伝えられた。
そんな感じで報告会は終了。
屋敷内のリフォームに関しては、すぐに着手するようにシオンへ手配を依頼した。セキュリティに関しては日を改めて、アマンダの意見を聞いて強化することにした。そしてギルドへの報告は、馬を取り扱う商会との商談を済ませたあとに、報告へ向かうことで調整をしたの。
最後にオークションなんだけど、開催時期が未定なので日時が決まれば出品の手続きを行うことになった。
スライムの心と鬼の心については、私が楽しみにしてるイベントなので、食事が終わったあとに拒絶の森へ向かう。食事のあとに出掛ける準備が整ったら、拒絶の森へ出発する運びになったの。