ミネバが使者の質問に答えると、使者は大きな鞄から4通の書状を取り出し、大きな声でグリエル英傑学園に合格したことを伝える。
「アリス.フェリシア嬢、ゼラーシュカ嬢、アナスタシア嬢、リューネブルック嬢の4名が、グリエル英傑学園の入学試験に合格をしたことをお伝えします。こちらが合格通知になりますのでお受け取りを」
「「ありがとうございます」」
私たちが声を揃えて使者に返事をすると、ミネバが使者から4通の合格通知を受け取ると、私たち4人の顔を見回しながら、使者は誰かを探すように質問をした。
「大変申し訳ないのだが、アリス.フェリシア嬢はどなたでしょうか?」
「あっ、私がアリスですよ」
「あなたがアリス.フェリシア嬢でしたか、あなたは入学試験において最も優秀な成績を収められ、首席で合格されたました」
入学試験では、私の点数が最も高かったみたいで、なんと首席合格したらしい。ゼシカたちもかなり難しい問題だったとか言っていた。私は簡単だと思ったので、首席合格は当然の結果かも知れないね。
わざわざ首席合格と言われことで、なにか面倒なことを押し付けられる? なんて不安なことが思い浮かんだので、使者に首席合格したことで何かすることがあるのか確認をする。
「あの〜、首席合格と言われましたが、何かすることってあるのですか?」
「世界最高峰の学舎であるグリエル英傑学園の首席合格者ですからね。入学式では大勢の来賓の前で、新入生を代表して宣誓をして頂きます
が、これは大変名誉なことです。我々はアリス嬢の宣誓に期待していますよ」
すごく面倒なことを押し付けられた。面倒なので断ろうかと思ったけど、隣でゼシカたちの目が『キラキラ』しているので断れなかった。
「判りました。期待に応えるようにします」
「はい、ではこれで失礼します」
「「ありがとうございました」」
去ろうとする使者に一礼すると、向こうも一礼をしてから部屋をあとすると、部屋は身内だけになったところで、普段の和らいだ雰囲気に戻るとため息が出た。
「はぁ~、首席合格かぁ~、あぁ〜凄く面倒臭いなぁ〜」
私がソファーに寝転びながらそんなことを口にすると、ミネバは誇らしげに首席合格したことを称えてくれた。
「アリス様! グリエル英傑学園の歴史で、一般階級からの首席合格なんて過去に例がありませんよ? これは本当にもの凄いことなんです! 私は自分のことのように嬉しいです」
「えぇ~、あの試験は凄く感嘆だったよ? 今年の受験生ってさ、みんな馬鹿だったんじゃないの?」
「「アリス様……酷い……」」
私の何気ない言葉を聞いた三姉妹は、口を尖らせ口を揃えて『酷い』と言ってきた。流石に言い過ぎたと思い謝ってから訂正する。
「ゴメンゴメン、3人のことじゃないんだよ? 特権階級とか言われてる奴らのことだよ?」
「我々や特権階級が馬鹿なのではなく、アリス様はこの世界に存在する誰よりも優秀なのです。そう知識の女神を凌駕するほどに!」
ミネバがとんでもないことを言うと、ゼシカたちも『ウンウン』と頷きながら声を揃える。
「「ミネバの言う通りです!」」
「えっと、そんなことを言っていると、女神様から天罰が下っちゃうよ?」
「「私たちは現人神であるアリス様を信仰しているので問題ありません!」」
「あっ、そう……」
とりあえず英傑学園から合格の通達が終わったので、明日からは屋敷のリフォームの再開と、王都にある冒険者ギルドを覗いたりして、滞在予定の2週間を存分に楽しむことにした。