私はダンジョン課からの声がかかるのを待ちながら、王都近辺にあるダンジョンっのことを考えていると、
『アリス様、世間的に表沙汰になってませんが【深淵大迷宮】という、禁忌クラスのダンジョンが存在します。英雄と呼ばれる者でも命を落とす危険があるために、グリエル国王の命令により封鎖されてます』
『禁忌クラス! さらに封鎖されてるなんて聞かされると、絶対に行きたくなるじゃない』
『誠に残念なのですが、教皇による【大結界】聖女血縁者による【聖女結界】勇者血縁者による【勇者結界】の三重結界によって封鎖され、入ることすら叶わない所です』
『えぇ〜、入ってみたいなぁ〜』
なんか聖女と勇者というワードが出てきて、私のテンションはあがる一方なのに、
『アリス様ならば、英雄たちを跳ね返した深淵大迷宮を、必ず踏破できると思っております』
『ありがとう。封鎖されて入れないのが残念だけど、グリエル英傑学園を卒業した後にでも、こっそりと入ってみようかな?』
『では、結界の解除方法を調べておきます』
『うん、お願いするね』
私と
「大変お待たせ致しました。光の絆のアリス様はいらっしゃいますか?」
「はい、私はアリス様の秘書官を務めるミネバと申します」
「私はダンジョン課のベッツと申します。談話室の方へ案内致します」
「判りました」
受付カウンターで、担当者からダンジョンの情報を渡されると思ってたんだけど、談話室へ案内されると聞いて、もしかしたら禁忌のダンジョンの情報でも聞けるのかと、少しだけ期待しながら移動した。
「ようこそいらっしゃいました。私はダンジョン課の課長を務める冒険者ギルド副総裁のガルムと申します」
談話室へ案内されると、冒険者ギルド副総裁が私たちを待っていた。超がつく大物が現れて何事かと思っていると、ミネバが私の代わりに副総裁に挨拶をする。
「私はアリス様の秘書官を務めてるミネバと申します。ダンジョンの情報を求めただけなのに、どうして副総裁の部屋へ案内されたのでしょうか?」
「ははっ、そんなに身構えないで欲しい。王都近辺にあるダンジョンの情報とのことでしたね。ダンジョンは3つあるのですが、その1つは禁忌指定のダンジョンなので、そこについては何も教えることができないんのです」
やはり禁忌指定のダンジョンは名前すら教えてもらえなかった。まぁ、
「かしこまりました。では残り2つのダンジョンについて教えて頂けますか?」
「はい、ランクSの【
「どちらのダンジョンも普通に入ることが可能なのでしょうか?」
「Bランク以上の制限となっているが、光の絆はランク制限をクリアしてるので、なんの問題もなく入ることが可能だ」
「なにか必要な手続きはごさいますか?」
「2つのダンジョンともに、入場する時にダンジョン入り口にある受付によって、入場手続きを済ませるだけだ」
どっちのダンジョンも入れることを確認すると、ミネバが私の顔を見たので私は軽く頷いて合図をしたのだった。